2021.05.26 【次世代自動車用部品特集】立隆電子工業(Lelon)車載分野で攻勢かける、進む柔軟なサービス体制構築
台湾の立隆電子工業(Lelon Electronics)は電気自動車(EV)分野で業績を伸ばしている。SMD車用アルミ電解コンデンサーを中国のティア1を通じて、米国系EV大手の中国地域マーケット向け自動車用ワイヤレス充電用製品に供給している。急拡大を続ける中国のマイクロEV(超小型電気自動車)市場でも、モーターコントローラーのサプライヤーとして地位を固めつつある。
同社は車載オーディオビデオエンターテインメントシステム、ADAS、デジタル化メーターなどの製品から、現在は既にパワートレイン関連へとラインアップを広げる。
純電気自動車(BEV)よりも早いスピードで普及している48Vライトハイブリッドシステムでは、48Vシステム用車載アルミ電解コンデンサーの安定出荷を見込む。オンボードチャージャー(OBC)のテスト・製品化も進め、今年後半から22年までに関連認証の取得を期待する。
市場では車載半導体チップ不足が問題となっているが、同社はその影響を受けておらず業績は堅調だ。自動車メーカーのEV化戦略と各国のCO₂削減政策推進によりEV市場拡大が期待でき、自動車用コンデンサーは受注が好調。生産供給が追い付かない状況で、同社は21年度の業績を楽観的にみている。
製品の細かい部分にこだわり、アルミ電解コンデンサー開発に重点を置き、生産能力拡大と設備最適化を進め、ハイエンド市場の需要に応えていく。今年中にも蘇州新工場が完成する予定で、顧客にさらに柔軟なサービスを提供できる体制を整えつつある。