2021.07.02 【家電総合特集】TVS REGZA中牟田寿嗣取締役副社長営業本部・マーケティング本部担当役員マーケティング本部長
テレビ専業で国内外攻める
画質・音質に引き続きこだわる
2006年3月1日に東芝の薄型テレビ「REGZA(レグザ)」ブランド一号機を発売してから15周年を迎え、節目となる今年3月1日付で社名を東芝映像ソリューションからTVS REGZAに変更した。TVSはトータル・ビジュアル・ソリューションの略で、ブランド力の高いレグザを社名に入れることでテレビ専業メーカーとして国内外で攻めていきたい。
18年に中国ハイセンスグループの傘下になり、グローバルでの調達力を生かしたコスト競争力の高い製品開発に取り組んできた。市場競争が激しい中で、レグザシリーズは幅広い製品群を用意。主力の高精細4K有機ELから4K液晶、フルハイビジョン液晶まで投入している。この1年は〝巣ごもり〟需要に後押しされ、リビングの大画面テレビの買い替えだけでなく、子ども部屋や寝室などへの買い増し需要も増えた。
自宅にいる機会が多くなり、スマートフォンなどで見ていたインターネット動画を大画面で見たいという要望に応え、昨年はネット動画視聴に特化したフルハイビジョン(2K)の中小型モデルを発売。ネット動画を高画質高音質で楽しむ機能を強化したことで、2Kテレビの上位機の位置付けだったが販売が好調に推移した。
19年4月から進めてきた量販店向けの直接営業体制の整備も追い風になっている。全国拠点網の営業人員を約3割増強し、店頭での支援などもできるようになった。この1年の巣ごもり需要での販売拡大と営業体制の強化、ハイセンスグループによるコスト競争力の強化により十数年ぶりに黒字化を達成した。コスト削減と売り上げ拡大が成果につながったと感じている。
21年は、当社にとっては日本市場で生き残るための重要な年と位置付けている。製品開発ではテレビの基本でもある画質と音質に引き続きこだわっていく。長年レグザの開発に携わってきた技術者たちは、目の前の景色といかに同じように映像表現していくか、いかに自然に見えるようにしていくかを追求している。
心臓部でもある独自開発の「レグザエンジン」が大きな強みにもなり、クラウドや人工知能(AI)などのデジタル技術を使った技術は、技術陣の画作りに対する弛まぬ努力の結果だと思っている。今年は初となるアンドロイド対応モデルも投入するなど製品群の幅をさらに広げた。
放送番組を丸ごと録画し好きな時間に好きな番組が視聴できる「タイムシフトマシン」も他社にない特徴で、「一度使ったらやめられない」との声も聞かれるほどだ。放送番組からネットまでを好きな時に好きなだけ高画質で見られることを前面に出していきたい。
今年は2Kから4Kまでニーズのあるところに製品を投入することで顧客層を拡大していく考えで、キャッシュバックなどのキャンペーンを活用しながら販促支援していく。同時に海外展開に向けた準備も始め、アジアから展開する方向で検討を進めている。