2021.07.29 【半導体/エレ商社特集】東京エレクトロンデバイスECとCN事業を主力に技術商社機能もつメーカーへ
徳重 社長
東京エレクトロンデバイス(TED)はEC事業(半導体・電子デバイス、PB〈自社ブランド〉)、CN事業(コンピューターシステム)の2事業を主力に、「技術商社機能を持つメーカー」へと事業構造の転換を進めている。2022年3月期から、25年3月期を目標年度とする新中期経営計画「VISION2025」をスタートし、製造業を中心とする顧客企業のDX推進に向けた取り組みを強化している。
徳重敦之社長は「足元では半導体の受注が倍増ペースで伸びているが、供給性が課題。CN事業は着実に成長しており安定した収益源泉となっている。PB事業は計画通りに進んでいる」と述べる。
技術商社機能を持つメーカーを目指す一環として、電子機器の開発・設計・製造・販売を行うグループ会社、TED長崎の工場を移転し、敷地面積、延べ床面積を拡大して生産能力を増強するとともに、次世代のスマート工場を目指したモノづくりを強化。
また、「TEDロボットセンター(TRC)」を同社都筑エンジニアリングセンター(横浜市都筑区)内に開設し、6月から本格運用を開始した。光学機器と独自の画像処理・AI技術「TriMathビジョン」をコアにロボット、ハンド、システム制御を連携させた作業ロボットシステム開発と、顧客への導入支援を行う。
化合物半導体ウエハー表面の欠陥を高速、高感度で検出するマクロ検査装置「RAYSENS」も納入実績が上がり始めた。
徳重社長は「PB事業はボードが中心だが、今後は最終製品を開発から製造まで受託するODMに転換し、特に医療検査装置などに軸足を置いて事業を拡大する」と語る。
顧客企業のDXを推進する活動では、製造業など幅広い企業に向け、マイクロソフトのクラウドサービス「Azure」を活用し、エッジデバイスからクラウドサービス構築、運用サポートまで一貫した「クラウドAI・IoTソリューション」を提供する。マイクロソフトのパートナーネットワーク企業として「マイクロソフト ジャパン パートナー オブ ザ イヤー2021(IoT部門)」アワードを受賞した。