2021.08.31 【ソリューションプロバイダー特集】三菱電機インフォメーションシステムズ 中野隆雅社長
中野 社長
業務システムのクラウド化に注力
ICTの市場環境は、先行きに不透明感があり、投資を先送りする傾向はあるものの、全体的には上向いている。当社の業績も、売り上げ面ではまだ厳しいが、収益は大きく改善している。通期では売り上げも前年実績をキャッチアップできる見通しだ。
デジタルトランスフォーメーション(DX、デジタル変革)で、世の中が大きく変化してきている。今後、IT投資の形も変わってくる。特に業務システムのクラウド化が本格化してくる。クラウド人材の強化も課題となってくる。また、金融業界では、拠点の統廃合などの動きもあり、ネットワーク、セキュリティーなどICTで貢献できる余地は大きい。業務のクラウド化や当社が強みとするネットワーク、セキュリティーで、こうしたニーズに応えていく。
当社は金融業、製造業、サービス業を中心に事業を展開している。金融業は、ICTを活用した新たなサービスへのニーズが高まっている。先ごろ当社の「電話発信認証サービスTELEO(テレオ)」が、大手損保会社で採用が決まった。電話を「かけるだけ」で、簡単に本人認証ができるクラウドサービスだ。今後、こうした新しいサービスを強化していく。
製造業も投資のニーズは上向いている。SAPの更新時期が2030年に延びたが、工場全体の改善につながるような周辺を含めたトータルな提案に力を入れていく。サービス業は、まだまだ厳しい環境が続いているが、人工知能(AI)、赤外線センサーを活用した映像解析ソリューション「kizkia(キヅキア)」など新しい価値を提供していく。
当社は、大手企業を中心にアカウントビジネスを主体に事業展開しているが、お客さまのビジネスも変化してきている。クラウドサービスの強化など、市場の変化に的確に対応する技術、ノウハウを付け、横展開できるソリューションを強化する。アカウントとソリューションのハイブリッドな形で事業展開していく。
4月に創立20周年を迎えた。将来にわたり、お客さまから信頼をいただける企業を目指す。