2021.11.11 三菱電機の重点成長事業に関する事業戦略説明会最終日はビルシステムと空調冷熱システム

 三菱電機の重点成長事業に関する事業戦略説明会は11日の最終日、ビルシステム事業、空調冷熱システム事業の担当執行役が事業運営方針を紹介した。

ビルシステム
ビル空間の価値創造を実現

松本 専務執行役

 ビルシステム事業は再編により統合ソリューションの提供とグローバルでの昇降機事業強化で2025年度の連結売上高6500億円、営業利益率10%以上を目指す。

 22年4月に三菱電機ビルシステム事業本部と三菱電機ビルテクノサービスを新会社「三菱電機ビルソリューションズ」に統合。昇降機新設から保守・リニューアルまでを一貫して担う。

 松本匡専務執行役ビルシステム事業本部長は、「さまざまなビルソリューションの提供によって、ビル空間の価値創造を実現するとともに、社会課題を解決して、ビルソリューション事業をけん引する」と説明した。

 さらに松本専務は、20年度実績で5.1%にとどまる営業利益率の改善のために、「収益性の高い保守事業の拡大」が重要と指摘。リニューアルを中心とした国内はグループの阪神輸送機のノウハウを生かした保守メニューの拡充やマルチブランド保守体制の構築を推進。海外では保守専業会社への資本参加や協業を検討する。

空調冷熱システム
省エネ技術で脱炭素社会に貢献

鈴木 常務執行役

 「空調冷熱システム」は、20年度で8100億円を売り上げる事業だ。25年度に1兆2600億円、営業利益率12%以上(20年度9.1%)を目指す。

 成長の両輪を担うのが、既存事業の強化・拡大を進める「アドバンス戦略」と、新事業の創出を目指す「イノベーション戦略」だ。 成長のために重視するのが、「省エネ技術・環境対応技術」「グローバル開発力と地産地消体制の強化」「ライフサイクルソリューション提供の事業基盤整備」―の3点。省エネ技術では、脱炭素社会への貢献を意識した開発を加速する。

 グローバル展開では、市場ニーズに合った開発を加速するために、研究開発拠点の新設・増強に21~25年度で約2000億円を投資。インドをはじめ生産拠点の新設も検討し、21~25年度で設備投資を約1800億円計画。

 鈴木聡常務執行役リビング・デジタルメディア事業本部長は「日本と全く違うものを作らないと付加価値が上がらないと思っている」とした。

 ライフサイクルソリューションは、製品単品だけでなく、保守・メンテナンスやビルシステム事業との連携などを進めていく。
(12日付電波新聞・電波新聞デジタルに詳報します。)