2021.11.19 【はんだ総合特集】ジャパンユニックスレーザーはんだ付けロボット

「エリアレーザー」技術

レーザー照射新技術開発、SMTまで範囲広げる

 ジャパンユニックスは、非接触ではんだ付けができる半導体レーザー式や超音波式、こて式などはんだ付けロボットを生産、販売している。主要ユーザーは国内外の車載基板、デジタル機器、医療機器、産業機器などに広がっている。IoTに対応したネットワーク対応のはんだ付けロボットUNIX-DFや「ソルダリングマネージャー」などソフトウエアも拡充している。

 新たにレーザーはんだ付けロボットのレーザー照射技術「エリアレーザー」を開発した。

 既にスルーホール端子向けにレーザー光を「円形」のまま外径寸法を変化させるだけで、レーザーの光エネルギーは中心が強く当たるトップハットの「マルチファイ」技術を開発しているが、エリアレーザー技術はレーザー照射範囲内エネルギーが均一で円形以外の形状(正方形、長方形)のビームが照射できる。同技術の開発により、レーザーはんだ付けロボットの活用範囲をSMT工程にまで広げた。

 エリアレーザーは全体加熱ではなくレーザー照射範囲の加熱のみでワークへの負荷を軽減。リフロー炉と比較し、設備設置の省スペース化を実現する。FFCのような点数の多いものでも多点同時はんだ付けが可能で、サイクルタイムが短縮できる。

 多品種小ロットへの対応、電子デバイス、モバイル、ウエアラブル、ライトビークル、IoTなど小型機器向けの基板実装に最適な工法として普及を図る。

 近年の地球温暖化への対策としてCO₂削減が求められるようになり、実装の分野でも対策が急務になっている。エリアレーザーはリフローオーブンに比べて生産性の面では一歩譲るが、リフローの全体加熱とは異なり、局所加熱が可能なためCO₂排出量が少なく、カーボンニュートラルの実現に貢献する。

 エリアレーザー技術を新レーザーはんだ付けユニット「ULD-02」に採用した。ULD-02はレーザー形状の最適化により、高いレベルのはんだ付け工程管理を実現し、トレーサビリティーと温度測定、制御機能も強化した。オプション(機能ユニットの交換のみ)でマルチファイ機能も活用できる。レーザーはんだ付けにおける従来の管理項目(出力、時間など)に加え「Thermo Pro」を搭載することではんだ付け時の温度管理、制御が可能になる。

 また、専用パソコン(PC)ソフト(Soldering Manager Pro for ULD-02)を併用することで、リアルタイムでそれぞれのはんだ付け状態をモニタリング、PCへの保存ができる。同軸カメラによる動画保存機能も搭載可能で、遠隔でも充実した生産管理を行うことも可能になる。データリンクによる通信で外部からの条件編集や、ULD-02コントローラーでやに入りはんだの制御も行える。