2021.11.22 自治体DX推進を本格化日本マイクロソフト、デジタル庁専任チーム発足

日本MSの行政DX戦略について説明する木村靖デジタル・ガバメント統括本部長


 日本マイクロソフト(MS)が、9月のデジタル庁創設を契機に、政府や自治体のデジタルトランスフォーメーション(DX、デジタル変革)に向けた戦略を強化している。推進の中核組織として「デジタル・ガバメント統括本部」を新設し、行政のデジタル化と官公庁職員の人材育成を本格化。今後はデジタル庁向けの専任チームも立ち上げる方針で、同庁の基幹システムをめぐるIT各社の争奪戦が激化しそうだ。

 「デジタル庁に合わせ、デジタル・ガバメントが加速していく。同庁からの要望に合わせて柔軟に対応していく」。日本MSデジタル・ガバメント統括本部の木村靖本部長はオンライン記者発表でこう強調し、デジタル庁が整備する政府共通のクラウドシステム「ガバメントクラウド」に名乗りを上げる考えを示した。

 ガバメントクラウドは中央省庁だけでなく地方自治体も共同利用する基幹システムで、デジタル庁が2025年度末までに整備を予定している。地方自治体はクラウド上の標準化されたアプリケーションの中から適したものを選択し、従来のように個別のシステムやセキュリティー対策の必要がなくなるとされている。

 木村本部長は「2022年2月に大規模なガバメントクラウドの調達があると聞いている。技術面、契約面で対応できるようにデジタル庁と対話を進めている」と説明。日本MSは創業以来、パートナーによる委託販売形式で「直接販売は一切行っていなかった」(木村本部長)が、「4月の調達に参画するためには、直接契約に関して丁寧にデジタル庁と対話し課題に対してクリアをしていかなくてはならない。大きなチャレンジになる」と契約形態を見直す考えを示唆した。
(詳細は24日付の電波新聞、電波新聞デジタルに掲載します)