2021.12.16 土壌や水からも発電 「超小集電」普及めざすエナジーハーベスティングの先へ

テストサイトの内側。集電のセットが並ぶ

 土壌や水などから電気を集める新しいタイプの技術開発が進む。手掛けるのは、デザインなどの専門家で、東京大学大学院の特任教授などを歴任した中川聰CEO(名古屋大医学部客員教授)が立ち上げた「トライポッド・デザイン」。センシング技術とデザインを結び付ける活動も推進する同社は、一般的な環境を媒体とし、微弱な電気を集めて有効活用する技術開発を進めている。

 集電体(端子)を差し込み、集めた電気をコンバーターで増幅などする。一般的なエナジーハーベスティングよりさらに進んだ技術として、「超小集電」とネーミング。茨城県に実験施設を展開、電機や素材の大手も参画して、コンクリートで集電する技術も駆使し、モデルハウス的な建物も構想している。商用化の皮切りとして、東京都内の高級ホテルで、食品ロスを生かしクリスマスツリーのイルミネーションも披露している。

 東京・九段下にある本社は、さまざまな試作品や製品が並び、ラボラトリーの趣き。米国にもあるネットワークも活用して、「日本発の技術で世界に貢献したい。日本はセンシング技術を生かして世界をリードできる」と意欲を見せる。
(17日付の電波新聞・電波新聞デジタルで詳報します。)