2022.01.04 【22年 年頭所感】ビジネス機械・情報システム産業協会・池田隆之会長
「BMSec」で一層の安心を提供
新型コロナの発生から2年が経ち、この間、世の中ではウィズコロナ時代の行動変容が提唱され、テレワークやリモート会議などの新たなワークスタイルが定着しつつある。同時に、当協会の対象製品に目を向けると、在宅勤務などオフィス外での執務が浸透していくに従って、プリンターや複合機、スキャナー、ファクスなどへのセキュリティー対策が広範囲に求められるようになった。
そのような社会のニーズに対し、昨年JBMIAは、「BMSec(事務機セキュリティープログラム)」というセキュリティーガイドラインを作成した。これは、製造業者や販売事業者がガイドラインに対する適合性を評価し、自己適合宣言を行い、その結果をJBMIAが確認・公開する制度だ。当協会としては、このBMSecを通じて、事務機器をご利用されるお客さまへ、より一層の安全・安心をご提供できればと願っている。
コロナ禍は、SDGsなど社会課題解決に対する人々の意識をも変えた。例えば、ロックダウンが全世界的に起きた一昨年の前半、わずか一カ月間でオゾン層が回復し、空気がきれいになるという現象が見られた。このことは、人々が気候変動を考える一つのきっかけにもなったと言われている。
JBMIAではSDGsの達成に貢献するさまざまな活動を行っている。従来行っている、使用済み廃品を回収する静脈物流の共同化に加え、昨年は新たに動脈物流の共同化にも取り組み始めた。これはJBMIAの会員企業が製造・販売する機器を同じトラックに載せて共同配送し、お客さまのところまでお届けするという取り組みだ。このことは、単に昨今のドライバー不足で懸念される「運べないリスク」を防ぐだけではなく、CO2削減による環境負荷の低減にもつながる。SDGsが掲げる目標、「エネルギーをみんなに そしてクリーンに」や「気候変動に具体的な対策を」などに、直接的に資するものと考えてる。
一昨年、私が会長に就任した際に取り上げた重点テーマに、「社会環境の変化への迅速的な対応」がある。社会環境の変化は、ワークスタイルの変化だけに留まらない。
経済安全保障問題、2050年カーボンニュートラルに向けた取り組み、サーバーセキュリティーや人工知能(AI)技術の法規制への対応など、国際課題やそれに伴う社会の変化にも対応していく必要がある。
当協会では本年、それらの課題に関する専門委員会の新設や既存委員会の強化により、諸課題への取り組みを一層加速させていく。また、国内外の関係機関との連携も重要であることは論をまたない。関係者皆さまのご指導、ご支援の下、社会課題解決への貢献に努めるとともに、同時に当協会のプレゼンスの向上も引き続き図って参りたい。
今年の干支「壬寅(みずのえとら)」は、「厳しい冬を超えて、芽が吹き、新たに成長する」様子を意味しているという。いまだ新型コロナが不透明な中だが、当協会としても社会の変化にしっかりと向き合いながら、アフターコロナを見据えた新たな成長の一年としたい。