島津製作所は3日、高速液体クロマトグラフ（LC）「Nexera XS inert（ネクセラ エックスエス イナート）」を発売する。LC国内トップシェアの同社は、バイオ・中分子医薬品市場の課題解決に特化した同製品をラインアップに加えることで、グローバルシェアのさらなる拡大を図る。

　近年、医薬品業界ではバイオ・中分子医薬品の開発が加速。これらの新規モダリティーは、現在の医薬品の主流である低分子化合物とは異なる化学的特性を持ち、薬効や毒性に関わる研究開発や製造、品質管理の場面において新しい技術が必要となっている。

　医薬品製造の研究開発から品質管理まで、あらゆる場面で利用されている、LCや液体クロマトグラフ質量分析計（LC/MS）。これらの分析においても、金属吸着によりデータの正確性や感度が低下し、さびにより性能が低下するといった課題がある。

　これらを解決するため、同社は京都大学薬学研究科の石濱泰教授と共同研究を実施し、その成果を元に同製品を設計・開発した。分子の吸着を抑える非金属材料やさびに強い素材を使用することで、バイオ・中分子医薬品などの安定した測定を実現する。

　希望販売価格は税別1200万円から。発売から1年間で計400台の販売を目指す。
（9日付電波新聞・電波新聞デジタルに詳報します）