2022.03.22 経団連会長とデジタル相、官民一体の改革推進へDX会議で方向性確認
DX会議であいさつする牧島デジタル相=22日、東京都千代田区のホテルニューオータニ
経団連は22日、産業界のデジタル化をめぐる横断的な課題について議論する「デジタルトランスフォーメーション(DX)会議」を東京都千代田区のホテルニューオータニで開き、牧島かれんデジタル相と意見を交わした。この中で両者は、デジタルと規制、行政という3分野の改革を三位一体で強力に進める方向性を共有した。
牧島デジタル相はDX会議で、社会のデジタル化と規制・行政改革を一体的に議論する政府の「デジタル臨時行政調査会(デジタル臨調)」について経団連の幹部に説明した。
経団連の十倉雅和会長(住友化学会長)は、会議冒頭のあいさつでデジタル臨調に触れ、「今こそ、世界から周回遅れの日本が真のデジタル社会へと生まれ変わる最大にして最後のチャンスといっても過言ではない」と指摘。こうした問題意識のもとで全会員企業を対象に行ったアンケートの結果を踏まえ、デジタル臨調への提言を取りまとめ、4月に公表する方針を示した。
さらに十倉会長は「官民がタッグを組んだデジタル社会の実現に向けて、突っ込んだ意見交換をさせてほしい」とも強調した。
牧島デジタル相は「国民とっても企業にとっても成長が実感できる社会を目指してデジタル臨調で議論している」と応じた上で、「(経団連の)提言を受け止めて、デジタル臨調の取り組みのスピードを上げる力に変えていきたい」と決意を述べた。
政府は昨年12月のデジタル臨調で、デジタル社会の形成に向けた共通指針「デジタル原則」を策定した。同原則に沿って4万以上ある法令や通達などを総点検するとともに、デジタル技術の活用を促す方策を具体化。今春をめどに、デジタル時代にふさわしい経済社会構造をつくるための一括的な規制見直しプランを取りまとめる方針も打ち出していた。