2022.04.22 独自エッチング技術で細胞膜チップ量産東レエンジニアリンググループ

人工細胞膜チップの試作品

 〝生体のセンサー〟である「イオンチャネル」の効率評価に東レエンジニアリンググループのエッチング技術が活用される。

 人工細胞膜チップを中核技術とするヘルスケアベンチャーのマクシス(川崎市高津区)との協業。

 イオンチャネルは細胞膜の表面に存在し、細胞内外の情報を伝えるセンサーの機能を持つ。新薬創出の鍵を握るとされ、製薬企業が注目する。

 東レエンジが目指すのは、生細胞を使わず、イオンチャネルの性質を人工的に再現する細胞膜チップを量産する技術の確立だ。

 人工細胞膜を使うことでイオンチャネルを1分子単位で高精度に計測できる。

 グループ会社レイテックが持つポリイミド(PI)エッチング技術を活用する。一連の工程を半導体製造にも利用されるフォトリソグラフィ技術で実現できるのが特長だ。

 20センチメートル四方のシートで280個のチップを作成可能だ。複数チップで並列処理し、微弱な電気信号の測定効率を上げることができる。

 今後、チップ測定装置をマクシスに提供し、共同で受託分析事業を展開する。

(25日付電波新聞/電波デジタルで詳報します)