2022.06.23 【カーエンターテインメント特集】パイオニア車載端末「NP1」
フロントガラスに簡単に取り付けられるNP1
クラウド対応で新機能提案
パイオニアは、カーナビゲーションとドライブレコーダー、車内Wi-Fi機能などが一つになった全く新しい車載端末「NP1」で新たなカーライフを提案していく。NP1は常にクラウドとつながり機能が逐次更新される。井上慎也NP事業本部CMO(最高マーケティング責任者)は「購入後も端末がアップデートされるため、新しい機能やサービスを受けられる」と話す。
NP1は音声だけで操作する車載端末で、本体には前方カメラ、車内と後方確認ができるカメラがあり、高性能なマイクとスピーカーが装備されている。スタイリッシュなドライブレコーダーのようなデザインで、フロントガラス上部に取り付けるだけでよい。
操作は「エヌピーワン」と話しかけて指示を出すだけで、対話しながら行き先を設定したり知りたい情報を得たりできる。「まるで助手席に乗っている人が教えてくれるような感覚で使える」(井上CMO)のが大きな特徴だ。ドライブレコーダーもクラウドに対応し、映像は容量を気にせずに保存できる。事故の記録だけでなく、駐車時の異常もスマートフォンに知らせてくれる。
クラウドにつながる強みを生かした新機能「カーライフ++」も搭載した。現在は、車外の人のスマホにカメラの映像と地図情報を送り対話ができるドライブコミュニケーション「ドライブコール」を用意。車外の人と、同乗しているような感覚で対話ができる。走行中にお薦めスポットなどの情報を教えてくれる機能やパートナー企業と連携して駐車場やグルメ情報なども簡単に収集できるようになる。
独自開発した人工知能(AI)などを活用したモビリティー基盤「パイオマティクス」と連携しているため、装着したクルマの走行状況や運転者に合わせた情報提供もする。運転者の好みに合わせた案内などもできるようになる。
3月の発売以降、引き合いは多い。新型車だけでなく既販車にも簡単に装着できる新しい車載端末になるためカー用品店などからの評価も高い。「既存のナビに不満のある人や輸入車のユーザー、高性能なドライブレコーダーを求めているユーザーの購入も目立つ」(井上CMO)という。
NP1はこれまでの車載端末と違い、クラウドとつながり常に進化する。使い勝手や新機能の要望など、利用者の声を機能向上に反映できる体制を整えており、井上CMOは「ユーザーの声を集め、反応を見ながらチューニングし、アップデートに生かしている」という。5月にはアマゾンのAIアシスタント「アレクサ」に対応したほか、今後も3カ月に1回の大型アップデートをしていく計画だ。
夏商戦に向けては、実機を体験できる場を増やしていく。デモカーを用意して販売店店頭でのイベントを行うほか、テレビCMなども展開し訴求する。井上CMOは「手軽に実機を体験できるサービスなども検討していく」と話している。