2022.07.26 胃がん見落とし解消めざすVB内視鏡支援のAIメディカルサービス
多田氏(提供=同社)
胃がんを中心に、内視鏡検査に人工知能(AI)で取り組み、病変の見落としを防ぎ、患者を救う。そうした目標を掲げるベンチャー、AIメディカルサービス(東京都豊島区)が、取り組みを加速させている。CEATEC AWARDを受けるなど技術力に定評がある。難しいとされる胃がんの早期発見につなげ、ひいては医療費削減にも寄与すると期待されている。
医師でもる多田智裕・代表取締役CEOは、全国でもトップクラスの2万例を超える内視鏡検査を行う中、AI の展開を知り、消化管のがんについて適用を考え、起業した。
内視鏡は、習熟している医師の数も多い日本が世界をリードする、先進の医療分野。胃内視鏡は日本メーカーで世界シェアの大半を占め、知見の蓄積もある。 ただ、どの医師も努力しているとはいえ、病変の見落としは、医師によっては2割以上あるともされる。ダブルチェック担当の医師も1日数千枚といった読影で、負担に疲弊しているのが現状とされる。
同社の技術は、リアルタイムで、その場での判定が実現可能なレベルになっている。最終判断は医師だが、視鏡検査をしているその場で病変の発見を支援できる形だ。開発実務では「教師データ」の質と量がカギを握るが、それを備えるのが強みだ。同社は全国の有力病院と多くの専門医の協力を得ており、良質・膨大な画像を継続的に集める。ソフトに特化し、アップデートを前提にしたサブスクモデルとして展開を図る。
米国やシンガポールの拠点設置など海外展開の動きも着々。ベンチャーキャピタルなどからの注目は高く、先日もソフトバンク系など調達を発表した。
(27日の電波新聞/電波新聞デジタルで詳報します)