2022.08.02 【ミリ波】社会の共有財産を思う

 大輪のヒマワリの鮮やかな黄色がまぶしい季節だ。そのヒマワリの絵で知られる画家がフィンセント・ファン・ゴッホ(1853~90)だ。厚塗りの絵の具と早描きの筆致は、妖しく迫力に満ちている▼ゴッホの「ひまわり」は日本に2枚あった。1枚は「芦屋のひまわり」と呼ばれ、1920年に兵庫の実業家が購入したが戦災で焼失した。武者小路実篤や志賀直哉らによる白樺派の雑誌に写真が残る▼もう1枚は東京にある大手損害保険会社の美術館の収蔵品。87年に53億円で競り落として...  (つづく)