2022.09.29 【電子部品メーカー・商社ASEAN特集】ヨコオ・マニュファクチャリング・オブ・ザ・フィリピン(ヨコオ) BCP体制強化に向けフィリピン工場稼働開始
古見 MD
ヨコオは、2022年5月に車載通信機器の生産子会社「ヨコオ・マニュファクチャリング・オブ・ザ・フィリピン」(YMP、古見芳郎MD=マネージングダイレクター)の稼働を開始した。まずは、車載アンテナと車内のカーナビやチューナーとをつなぐ中継コードの量産を開始、24年以降は順次、シャークフィンアンテナやGPS/GNSSアンテナなどに拡大する予定。
フィリピンは、若年層が多いこと、治安が良いことや英語が公用語でコミュニケーションが取りやすいことに加えて、ほかの海外拠点から近く生産移管が比較的容易であることから、新工場建設地に選定した。
YMPの新工場は、バターン州ヘロモサ・エコゾーン工業団地に立地し、敷地面積3万6000平方メートル、床面積1万5325平方メートルの工場規模。資本金は2億3000万フィリピンペソ(約5億円)で、ヨコオが全額出資している。
22年度末には、従業員400人規模で中継コードを年間120万本量産する。26年度末までに従業員を2200人規模に増員し、GPS/GNSSアンテナなども含めた各種アンテナ製品を年間1900万個量産する計画。また、23年度末には、ISO9001、14001、27001の認証を取得予定。
ヨコオは現在、中国、ベトナム、米国、フィリピンの4工場で日本、欧米、アジア向けに車載アンテナ製品を生産しており、その売上高はグループの連結売上高の約6割を占める。
新型コロナウイルス感染拡大に伴う物流の停滞や、世界的な半導体不足による受注の変動に対応するべく、各工場の生産比率の平準化を図ることにより、サプライチェーンを強化。24年以降に生産品目を全ての製品群に拡大し、生産面でのさらなるBCP体制強化と業量増加への対応を進めていく。
同社グループのASEAN地区製造拠点は、このほかマレーシア工場「ヨコオ・エレクトロニクス(マレーシア)」、ベトナム工場「ヨコオ・ベトナム」を展開している。