2022.10.18 【CEATEC特集】 トータルソリューション&グローバルエリア
今年は海外9カ国/地域から出展がある
「トータルソリューションエリア」はソサエティー5.0の実現に向けたあらゆるソリューションや製品を展開するエリアで、共創エリアでもあるパートナーズパークには収まらない共創事例やソリューションなども展示実演されている。
キーワードはカーボンニュートラル
最新デジタル技術で豊かな社会
主要電機大手メーカーのほか、従来であればキーテクノロジーエリアに出展しているデバイスメーカーなども出展しており、CEATEC鹿野清エグゼクティブプロデューサーは「これまでのデバイスや製品単体としての提案から、ソリューション提案を進めようとしている企業の考え方がみてとれる」と話す。
各社ともカーボンニュートラルやサステナビリティーをキーワードにしながら、ソサエティー5.0を支える最新のソリューションを展示。従来のような技術や製品の側面だけでなく、実際の利用シーンや近未来の社会の姿を出展各社の視点から披露している。
コロナ禍も3年目になり市場環境は大きく変わった。クラウドやIoT、人工知能(AI)といった最新のデジタル技術を活用し業務環境を変革していくデジタルトランスフォーメーション(DX)への取り組みがさらに進んできている。
多くの企業がDXに高い関心を持ち、デジタル化を当たり前に話されるようになってきた。同時にカーボンニュートラルやサステナビリティーを考えるようになり、これまで政府が掲げてきていたソサエティー5.0は、青写真から現実のものになってきている。
今回のトータルソリューションエリアでは、総合電機各社はカーボンニュートラルをキーワードにソサエティー5.0を語ろうとしている。最新のデジタル技術を活用することで生み出される豊かな社会はすぐそこに来ていることを実感できるだろう。
主要各社の動きを見ると、三菱電機はサステナビリティーの実現に向け、現在抱えている社会課題を解決するソリューション群を用意。AIやロボットなど最先端技術を活用した新しい社会の在り方を提案する。シャープはデジタルヘルスケアやカーボンニュートラルへの取り組みを披露している。これまで培ってきた技術を生かしたヘルスケア関連では他社との共創事例なども見られる。
ソニーや日立製作所、東芝もカーボンニュートラルなど環境に配慮した持続可能な社会を実現する製品やサービスを展示する。ソニーは今年発表したSUV(スポーツ多目的車)タイプのEV(電気自動車)の試作車も持ち込む。今回はTEコネクティビティや京セラ、ニチコンなどもトータルソリューションエリアに出展し、ソサエティー5.0実現に向けた提案を行っている。
9カ国/地域がグローバルパビリオン
パートナー連携目指す
この3年は海外からの入国が制限されていたこともあり、海外企業の動きをじかに見る機会が激減していた。久しぶりの会場開催となった今回は「グローバルエリア」も注目したいところだ。今回はアメリカ、インド、英国、カナダ、台湾、フランス、ポーランド、UAE、デンマークの9カ国/地域がグローバルパビリオンを設置している。
これまでも安定的に出展していたインドは今年も参加。日本との交流が50周年になるUAEが初出展したほか、ポーランドやデンマークも初めて出展する。これまでリモート出展だったカナダも初めて会場出展することになった。台湾は台湾情報セキュリティ協会(TWISA)が出展しデバイスなどだけでなく、IT企業も参加することになっている。
海外企業にとっても日本市場は有望だ。まだ日本国内に流通していない製品やサービスなどを持ち込み、パートナー連携を目指そうとしている企業も多い。鹿野氏は「ぜひ交流の場にしてほしい」と話している。
そのほか、今回は特定の分野や産業、マーケットを変革するソリューションや製品を展示する「スマート×インダストリーエリア」もある。ここでも実際にスマート化を実現した事例などが体験できる。