2022.10.27 【次世代自動車用部品特集】メイコー プリント配線板、高密度・高周波対応など重点

高周波対応の材料を使用した車載用プリント基板

 メイコーは、電子化・電動化が進む自動車向けに各種プリント配線板を製造・供給している。車載用電子回路基板に対する技術要求の高度化に対応し①高密度・高周波対応②小型化③放熱対応などに重点を置いた技術開発・提案を行う。

 高密度・高周波対応では、将来の電子制御ユニットのドメイン統合型ECUへのシフトに照準を合わせ、3段ビルドアップ基板やエニーレイヤー基板などの量産体制を強化。高周波対応のための材料見直しも進めた。

 小型化では、FR-4フレックスによる折り曲げ、小型・省スペース対応や、部品内蔵基板による配線面積削減提案などを進める。

 放熱対応では、車の高機能化や大電流化に伴う放熱ニーズの高まりに対応する各種放熱基板製品をラインアップ。

 電流配線層を厚銅化した厚銅基板による大電流対応や、放熱性に優れる銅インレイ基板、選択スルーホールメッキ厚付けによる放熱を行うメガスルホール基板、金属ベース構造での放熱を行うメタルベース基板など多彩な製品・技術をそろえている。

 2021年度(22年3月期)の自動車向け売上高は、半導体不足などの影響を受けながらも前期比約40%増の732億円と大幅に増加した。22年度も連結売上高に占める自動車向け比率は5割を超える見通し。

 事業拡大に向け中期での積極投資を実施しており、今年4月に山形事業所天童工場(山形県天童市)建設に着工、23年秋の竣工(しゅんこう)を予定。ベトナムでもグローバルな量産体制のさらなる強化のため、クアンミン第2工場建設に着工した。

 これにより、24年ごろからの成長加速が見込まれる電動車向けの生産体制を整備し、新規ビジネス開拓につなげる。

 新規サービスとして「高周波測定受託サービス」も開始した。最大測定周波数110ギガヘルツの測定システムを導入し、材料特性や配線パターン伝送特性の測定を開始。コア技術の基板製造と高周波測定に設計・シミュレーションや基板分析を加え、垂直統合の技術とサービスを顧客へ提供する。