2022.11.16 【高専制度創設60周年特集】全国高専連携の要に ヒューマンネットワーク高専 島田一雄顧問に聞く
全国高専連携の要となっている「ヒューマンネットワーク高専(HNK)」。東京都立航空工業高等専門学校(現・都立産業技術高等専門学校)での教育の経験などを生かし、HNKの中心として長年活躍し、顧問を務める島田一雄氏に、これまでの取り組みや後輩へのエールなどを伺った。
-HNKについて、改めて伺えますか。
島田顧問 1996年10月に設立総会を開き、準備期間を含めれば約30年の歴史がある、高専卒業生の会の老舗的な組織。国公私立の垣根なく、全国高専のOB・OGや在校生、高専関係者、活動に賛同される方々で構成されている。
さまざまな業界で幅広く活躍する各高専出身者の連携と躍進を目指している。高専独自の人脈づくりと、さらなる知識と技術を蓄積でき、世代を超えて切磋琢磨(せっさたくま)する場として機能してきた。
-関わられるようになったのは。
島田顧問 都立航空高専の校長に就任した2002年に連絡網に加わり、参加した。関係が一層深まった契機の一つは、当時、学校活性化と地域交流のため始めた「SAS(Saturday Afternoon School)」の取り組み。
その情報発信の機会として、航空高専でHNK総会を開催していただき、航空高専をいわば「第2の母校」として活用いただくことを提案し、その後、参加者との交流が深まった。
05年に同校を定年退職し、日本無線協会に勤めるようになった後も参画。09年から顧問を引き受けている。メーリングリストでの交流や月例会、各種のフォーラム、年1回の総会などを開いてきた。
-情報発信も積極的です。
島田顧問 機関誌「赤とんぼ」も年に1回発行、12号まで発刊した。いま読み返しても、多彩な卒業生・現役生の活躍ぶりなどの貴重な記録。改めて発行の機会を得て、現役生へのエール、一般への情報発信もしたい。
活動を伝えメンバーを増やす手段として12年からFacebookも活用。当初は苦労し、20年の時点で500人ほどだったが、一人一人に地道に友だち申請をして呼び掛けるなどし、直近では1900人近くに増えた。
毎月の月例会には、国内外から平均50人を超す参加をいただいている。今月19、24日には「HNK創立30周年記念全国高専交流会in東京2022」をリアル開催予定で、YouTubeでの中継も計画している。
地道に活動を続け、ソーシャルメディアも使って有意義な高専関連情報を届けていきたい。高専は「世界に誇る人材の宝庫」。国際的にも高く評価され、卒業生の活躍の場はどんどん広がっている。