2022.12.19 パナソニック ミュージアムで未来技術遺産を展示 今年度選定製品含め14点

今回認定された3製品を含め、パナソニックグループ14点の未来技術遺産の技術的価値を紹介する

 パナソニック グループから今年度、国立科学博物館が2008年度より実施している重要科学技術史資料(愛称=未来技術遺産)に、新たに3製品が選定された。

 これを受けて、パナソニック ミュージアム ものづくりイズム館で22年12月17日~23年4月15日まで、企画展「未来技術遺産~次代に継がれる技術者魂~」を開催中だ。

 「未来技術遺産」は科学技術の発達上、重要な成果、次世代に継承していく上で重要な意義を持ち、国民生活、経済、社会、文化に顕著な影響を与えたものが選定され、これまで計343件が認定されている。

 蚊取り線香からジェットエンジンまで、幅広い未来技術遺産が認定されており、パナソニック グループでは今年度の3製品を含め、計14点が認定されている。

 今年度認定されたのが、トランジスタ・インバーター制御CO2/MAG溶接機「YD-350HF」、フルデジタル直流TIG溶接機「YC-300BM1」、電気自転車「Electric Cycle」の3製品。

 溶接機「YD-350HF」は、現在パナソニック コネクトの樋口泰行代表取締役執行役員社長・CEOが、若手技術者時代に担当した機種だ。

 CO2アーク溶接の電流を、当時世界で初めてインバーター制御により細かく出力制御することで、溶接の品質が向上し、自動車業界などに高く評価された。

 溶接機のYC-300BM1は2000年に発売したもので、当時世界初のCPU(中央演算装置)を使ったフルデジタル設定・制御方式の溶接機。

 また電気自転車「Electric Cycle」は1980年に世界で初めて量産化され、今の電動アシスト自転車の原型となったモデルだ。

 今回の展示会ではこれら3製品を含め、それぞれの実物を一堂に会し、関係資料や開発者のインタビューなども交え、誕生背景や技術的な特長を紹介している。パナソニック ミュージアムでは「是非若手技術者の方に多く来場いただきたい」(新田淳館長)と話す。