2023.01.10 【製造技術総合特集】品川商工 社業でカーボンニュートラル貢献 SDGs推進で新たな市場開拓

中村 社長

 品川商工は1959年6月の創業以来、エンジニアリングプラスチックを中心とした配線・基板関連部品の開発、製造、販売の専業メーカーとして、電気・電子機器関連の幅広い分野に向けてオンリーワンにこだわった独創的な製品を数多く提供している。堅実経営を貫き、創業以来、毎期黒字経営を続けている。

 中村利惠社長は「2022年は予期しない歴史的な出来事が相次いで起きた。当社を取り巻く事業環境も原材料、仕入品の物不足や値上げなど厳しい状況が続いたが、半導体関連の需要拡大などにより、売り上げはリーマンショック以前のレベルまで戻すことができた」と振り返る。

 SDGsやカーボンニュートラルの潮流が加速している中で、同社はSDGsへの取り組みを本格化する。

 同社は環境問題に対して業界に先駆けて01年頃から活動を開始し、顧客からの環境調査にも積極的に取り組むべく、04年には社内に「グリーン調達対策プロジェクト」を発足させ、またISO14001も04年に取得した。12年から営業車のハイブリッド化を進め、現在27台の営業車のほぼ全てのハイブリッド化が完了しようとしている。また、11年から流通センターを皮切りに、工場、営業所、本社の照明LED化も進めてきた。

 中村社長は「当社も創業以来63年の社業を通じて、カーボンニュートラルの実現に貢献したい。CO₂削減に向けた配線資材のバイオマスプラスチック化、再生可能エネルギー開発企業のニーズに適切に応える製品の生産と供給、製品や生産工程における適正な化学物質や廃棄物管理の徹底などに地道に取り組み、新しい時代のニーズに応えたい」と語る。

 化石由来のプラスチックに代わるバイオマスプラスチックなどの製品化に向けて材料評価などから始める。再生可能エネルギーに向けては既に太陽光発電で10年の実績があるが、さらに洋上風力や地熱発電などの分野でも同社製品の採用を期待している。中村社長は「23年の市場環境は、22年以上に厳しくなるとみている。SDGsを推進しながら新たな市場開拓に取り組む」と述べている。