2023.01.18 【情報通信総合特集】東芝ITサービス 笹川悦男社長

セキュリティーさらに強化 OT領域のDX支援も

 東芝デジタルソリューションズ(TDSL)グループの保守サポートを担う中核企業として付加価値の高いサービス展開に注力してきた。この2年で体質強化を図り2020、21年度ともにROS(売上高利益率)10%を実現でき、着実に成果になったとみている。

 22年度は体質強化から成長戦略へかじを切り、①TDSLグループとの連携強化②セキュリティー支援強化③デジタルマーケティング強化④プロジェクト管理と提案力の強化⑤セキュリティー人材の強化⑥生産性向上―を重点施策に掲げた。

 従来型の保守が減少する中では新たな施策を打つ必要がある。グループ連携では営業をTDSLと一体で進められる体制にしたほか、Webサイトを強化したデジタルマーケティング施策で新規保守の獲得につながってきている。グループ外のベンダー保守も増え、クラウドにすぐに移行できないシステムの運用支援への問い合わせも多い。提案力の強化ではソリューション推進できる専門の組織を作り付加価値の高い提案を始めている。

 生産性を高めるために保守基盤も強化した。AIを活用した自動の保守員配備(ディスパッチ)を行うなどデジタル化も進めている。今年度中には顧客向けのポータルサイトを開設し効率の良い支援をする計画だ。

 得意のセキュリティーはさらに強化する。システムにセキュリティーを入れても運用できなければ十分に機能しない。当社はセキュリティーを組み込んだシステム運用支援が強みで、大手製造業向けなどで実績を積んでいる。昨年はコンタクトセンターとSOC(セキュリティ運用センター)を移転増床し、最新の設備にした。セキュリティー人材も増強する計画で、教育体制を整えている。TDSLと一体となったセキュリティー提案もさらに強化していく。

 23年はセキュリティーが運用までつながるようにしていきたい。併せてOT(運用技術)側のDX支援に取り組む。OT領域もネットワークにつながるためセキュリティーが重要になってくる。当社のサービス基盤を活用して支援していく。