2023.01.18 【情報通信総合特集】NSW 多田尚二社長

各事業のリソース最適化し成長

 2022年度から「デジタル変革による社会と企業の持続的成長の両立」を基本方針に掲げた新中期経営経計画がスタートした。DXファーストと共創をコンセプトに、24年度に売り上げ500億円、営業利益率11%以上を目指している。

 当社はデバイスや組み込みシステムからSI(システム構築)、サービスまで全方位で支援できることを強みにしてきた。中計初年度からは企業向けシステムの「エンタープライズ」、クラウドやIoTなどの「サービス」、組み込みの「エンベデッド」、LSI開発などの「デバイス」の4領域で展開を始めた。

 足元の市場環境は一部で投資を絞り込む動きも見られるが、設計や開発に関する投資は堅調で、エンベデッドやデバイスがけん引し上期は過去最高業績を更新した。中計初年度としてまずまずの滑り出しとなった。

 エンベデッドは自動車向けのADAS(先進運転支援システム)関連や放送設備関連向けなどが拡大しており受注、売り上げ共に好調だ。企業向けシステムでは製造や物流向けのERP(統合基幹業務システム)の引き合いが多く、受注も積み上がってきている。

 DXを中心にするサービス関連はIoTをはじめとしたデジタル化への支援に対する引き合いが強い。ただ小規模案件や低採算案件が多く、対応に追われてしまっているため、人財配置なども含め最適化を図っていく。

 23年のIT関連市場は引き続き堅調に推移するとみられ、人員などのリソースを最適配置しながら対応していく必要がある。プロジェクトマネジメント力を高めながら技術力を上げていくことが急務だ。技術力を底上げしていくための研修や教育に力を入れるとともに、DXに関連するプロジェクトに人財を投入し、経験と技術を高められるようにしていきたい。

 当社は22年8月3日付で社名を「日本システムウエア」から「NSW」に変更した。認知度が高かったこれまでの略称を正式社名にし、着実な成長に向けかじを切っていく。23年も各事業のリソースを最適化し成長していきたいと考えている。