2023.01.18 【情報通信総合特集】NECネクサソリューションズ 木下孝彦社長
市場全体を予測しサービス創出
ターゲットとしている中堅市場全体としては原材料の高騰もあって期待ほど回復していないものの、ホテルやショッピングセンターなど流通サービス業を中心に明るい兆しが見えてきた。
ここ2~3年取り組んできた自社案件の品質評価やリスク分析を徹底し、不採算を抑制できつつある。こうした成果もあり、売り上げは10%程度アップし、増収増益となる見込みだ。
半導体不足の影響も、クラウドシフトや代替製品など選択肢を提示することで、マイナス要因は解消できている。
堅調なのが図書館のシステム。蔵書管理や貸し出しの仕組みに、通話アプリLINEと連携した新サービスを追加したのが評価され、順調に拡大している。
将来的には自治体、病院も含めた共通基盤を構築したい。
主力のインターネットサービス「クローバーネット」は昨年12月に発売から20年が経過した。これを機に、人工知能(AI)や統合基幹業務システム(ERP)など各種サービスをシリーズ化し、短期間で手軽に導入できるソリューションをそろえた。
セキュリティー関係の引き合いも急増している。サイバー攻撃を受けた後の復旧支援も含め、クローバーネットをベースに構築したノウハウを生かして差別化が図れる領域と位置付けている。顧客のシステム資産を守る責務がある一方で、ビジネスチャンスでもあることから、人材を強化している。
2023年もデジタルトランスフォーメーション(DX)の流れは続き、基幹システムから周辺システムへの投資も活発化すると見込んでいる。中堅中小企業のDX市場のポテンシャルは非常に大きい。
デジタル庁のアナログ規制撤廃の動きも注視している。今年の大きな目玉になる。われわれ自身が市場全体を予測しながらサービスをつくり、システム開発からストック型のビジネスに転換を図っていきたい。
サービス事業の割合は現状42~43%だが、25年には50%超を目指していきたい。