2023.01.18 【情報通信総合特集】日立システムズ 柴原節男社長
DXとともにGX支援を本格化
「成長」をキーワードに掲げた新中期経営計画がスタートした。産業や流通に向けたデジタルトランスフォーメーション(DX)支援を強化するとともに、カーボンニュートラルの観点からグリーントランスフォーメーション(GX)の支援を本格化させたい。
この一年はDX案件が堅調なほかGXの引き合いが増えてきた。社内でデータセンターの省エネ化や、可視化したCO₂排出量から具体的な削減を進める実証も行っており、ここでのノウハウを社外へ展開し始めた。60社以上から引き合いがあり、今後の成長エンジンになる手応えを感じている。
DXもさらに加速しそうだ。製造業などの現場のデジタル化を推進してきたが、働き方改革の観点からもDXが進んでいる。業務プロセスを可視化しDXを支援するプロセスマイニングによる業務DX支援サービスも始めた。顧客と一緒になって取り組んでいきたい。
セキュリティーの体制も強化した。セキュリティーインシデントに速やかに対策できるCSIRTを業種ごとに構築したほか、昨年10月に「セキュリティ人財トレーニングセンタ」を開設し教育を始めた。SOC(セキュリティー運用センター)に従事できる人財を今中計中に1000人まで拡大したい。この領域はM&Aも含め検討している。
22年は顧客へ速やかに最適な提案をするGo-To-Market推進組織を新設したほか、日立グループで推進する「ルマーダ」(IoT基盤)の当社ソリューションを9商材まで絞り組織を横断し提案できるようにした。ソリューションの相談ができる「コンシェルジュ」も配置し、横断的なソリューション展開をさらに加速させる。
中計2年目はグローバルの収益性を高めたい。既に海外のマネージドサービス事業拡大に向け北米グループ企業を再編した。あわせてインドのセキュリティー機能も強化していく。社内では健康経営に取り組み始めた。従業員向けオンライン診療や外部医療機関と連携した次世代診療も始めた。いきいきと働ける環境を作り顧客に新たな価値を提供していきたい。