2023.01.18 【情報通信総合特集】日立製作所 星野達朗執行役常務
〈営業統括本部副統括本部長兼デジタルシステム&サービス担当CMO〉
デジタルエンジニアリング力を発揮 グローバルな成長追求
新型コロナウイルスの感染拡大やロシアのウクライナ侵攻が部材の価格高騰をもたらすなど、マクロ経済の不透明感が強まったが、「デジタルシステム&サービス(DSS)セクター」の関連需要は堅調に推移している。デジタルトランスフォーメーション(DX)に加えて、グリーンやカーボンニュートラルなど新しい潮流も広がる中、競争力を発揮して顧客に新しい価値を提供できた。
DSSセクターの中核を担う日立システムズと日立ソリューションズがそれぞれの強みを発揮し、セクターの事業成長に向けて健闘してくれた。グローバルでは、買収したグローバルロジックも得意とするデジタルエンジニアリングなどの専門性を生かし、DX需要の獲得で貢献した。
今後も、顧客の経営課題を理解する段階から始まり、解決方法の創出と実装を経て保守・運用のフェーズに移行するという「4象限」のサイクルを回し、顧客に貢献していきたい。各セクターが持つOT(制御・運用技術)やプロダクトに、グローバルロジックのデジタルエンジニアリング力を組み合わせることで、主力のデジタル事業「Lumada(ルマーダ)」のグローバル展開を加速させていく。
全社的には、中期経営計画に沿って「成長へのモードシフト」を着実なものにするための重要な一年となる。成長に向けては、事業基盤である日本国内と市場規模が大きい北米市場を起点に、引き続きグローバルな成長を目指す。中でもデジタル領域では、北米シリコンバレーに設立した日立デジタルが司令塔となり、鉄道やエネルギーなどを手掛けるグループ各社と横の連携を密にしながらデジタル戦略を推進していく。海外市場の開拓はもちろんのこと、昨年4月に設立したグローバルロジックの日本法人を起点に、デザイン主導のデジタルエンジニアリング力を国内の顧客にも訴求。そうした戦略を下支えするクラウドサービスの展開も強化したい。
さらに、成長戦略の源泉となるデジタル人材をどんどん増やし、事業機会を失わないようにしたい。