2023.01.17 【半導体/エレクトロニクス商社特集】たけびし 小倉勇社長
小倉 社長
26年に創業100周年 新中期ビジョンを策定へ
たけびしは、2026年に創業100周年を迎える。来期から始まる26年に向けた新中期ビジョンの策定に着手した。現在進行している中期ビジョンの売り上げ1000億円達成に向けて、さらに実績を高める方針だ。
同社の23年3月第2四半期連結業績は増収増益を果たした。上期は売上高・経常利益共に過去最高を更新。通期連結業績予想では過去最高の売上高を予想。小倉勇社長は「売上高は1000億円に向けて、取り組みを推進。通期予想の935億円はあくまでもボトムライン。最後まで諦めない」と話す。
メインの産業機器システム分野では、半導体、物流、衛生関連向けなどの需要拡大を捉え増。半導体・デバイス分野では、国内が半導体製造装置用デバイス、海外製デバイスの拡大で増えた。海外はリ・チャンプが東南アジアを中心に事業領域を順調に拡大させていることが増加につながった。ほか、社会インフラ分野では、エアコン生産復調の本格化と環境への意識の高まりによる省エネ機器需要の拡大を捉え増えた。
現在同社では海外、医療、自動化、オリジナルの四つの成長戦略に取り組んでいる。海外では選択と集中によるアジア市場の開拓を推進。マレーシアの生産拠点の拡大をターゲットに、三菱FA機器ビジネスを始動。医療では手術支援ロボットなどICT需要獲得を進める。自動化では生産国内回帰、人口減少、非接触などに適応した需要を獲得。オリジナルではOPCサーバーを東南アジアや欧米で拡大を目指す。
30年のカーボンニュートラル実現に向けて、グループ全体でCO₂排出実質ゼロを目指し、国内では拠点の再生可能エネルギー由来化を進め、CO₂排出実質ゼロ100%に近づけている。この間、風力発電事業への取り組みを強化しており、498kWの風力発電を三重県で建設中。今春に稼働を予定しており「電力の自家消費だけでなく、売電できるよう体制を整える」(小倉社長)という。
次期中期ビジョンについて、小倉社長は「策定は23年3月中に完了し、取締役会で承認の予定。発表は4月以降に予定しているが、発表のタイミングは現時点では未定。利益率を高める目標をつくりたい」と語った。