八重洲無線は、FTM-400Dシリーズの後継として位置づけられるV・UHF帯用2バンドモービルトランシーバ「FTM-500D」シリーズを発表した。

　同新シリーズは、108～999.995MHzまでを連続でカバーする広帯域受信の回路構成をもち、2波同時受信およびデジタルモードのC4FMとC4FMのデュアル受信（デジタル D/D）に対応したアマチュア無線の144.430MHz帯対応デュアルバンドモービルトランシーバーである。

　通信モードは両バンド広く普及しているアナログFMとC4FMの両方に対応。また、エアバンドのAM受信にも対応。
　さらに、相手からの受信信号に合わせて自局の通信モードを自動的に選択するAMS（Automatic Mode Select）機能に対応し、デジタル、アナログFMが混在した状態でも快適な交信が可能。

　その他の機能としては、FT-710で採用されたデュアルスピーカシステムAESS(Acoustic Enhanced Speaker System)を搭載した。FT-710とは異なり、2台のスピーカーは共に本体に内蔵され、外部スピーカーなしに拡がりのあるクリアな高音質を実現できる。

　視認性や操作性も改善されており、2.4インチの高解像度フルカラータッチパネルディスプレイを採用したほか、最新型オペレーティングシステム「E2O-IV(Easy to Operate–IV)」を採用し、CFL（カスタマイズドファンクションリスト）をはじめ、「タッチ＆ゴー」や「サーチ＆ゴー」、PMG、MAG などの新機能に対応した。

　この他に同シリーズは、インターネットDX通信「WIRES-X」への完全互換性と、「WIRES-Xポータブルデジタルノード機能」に対応。外出先でも WIRES-X デジタルノード局の運用やPC経由のダイレクトインターネット通信が可能。高精度GPSレシーバ搭載で相手局とのリアルタイムナビゲーションや GPSデータ通信（APRS）にも対応している。アクセサリ関連では、ブルートゥース対応し、対応ヘッドセットを使ったワイヤレス通信、録音機能、マイクロSDカードによるデータ保存などの機能がある。その他の主な機能とスペックは以下のとおり。

＜その他の主要機能＞
・総合低周波出力 9W (3W：本体/6W：フロントパネル) 高音質・大音量スピーカー
・タッチ＆ゴー機能対応（スコープ画面から移動したい周波数へ瞬時に移動）
・サーチ＆ゴー機能対応（運用中のままスコープ画面から聞きたい周波数を同時受信）
・デジタルグループID（DG-ID）による簡単で快適なグループオペレーション
・コントロールヘッド（操作パネル）のアングルが20度上向きに可変できるスイングヘッド機構
・ コントロールヘッドのアングルを上下/左右に可変できる球面ジョイント式マウントキットをオプションで用意（SJMK-500）
・使用するバンドだけを表示するVFOバンドスキップ機能
・メモリーチャンネルの情報をワンタッチでVFOに移動するメモリーチャンネルVFO転送機能
・瞬時にスコープ運用とデュアル受信運用を切り替えるワンタッチスコープ機能
・高速スペクトラムスコープ機能
・16文字（全角8文字）漢字対応、タグ付きの大容量1104チャンネルメモリー搭載
・高精度GPSレシーバー内蔵　、リアルタイムのGPSデータ通信APRS対応
・安定した50W高送信出力を保証するFACC （Funnel Air-Convection Conductor）冷却システム
・コントロールヘッドセパレート運用対応

＜主要スペック＞
送信周波数範囲： 144～146MHz、430～440MHz（C4FM/FM）
受信周波数範囲： 108～137MHz（エアバンド）
137～174MHz（144MHz HAM / VHF帯）
174 - 400MHz
400 - 480MHz（430MHz HAM / UHF帯）
480 - 999.995MHz
受信方式： ダブルコンバージョンスーパーヘテロダイン方式
電波型式： F1D, F2D, F3E, F7W
送信出力： FTM-500D（50Wタイプ）：50W/25W/5W
FTM-500DS（20Wタイプ）：20W/10W/1W
外形寸法（W x H x D）：本体 139 x 42 x 132 mm（突起物およびファンを除く）
　　　 コントロールヘッド 156 x 64 x 58.6 mm （突起物を除く）
重量： 約1.4kg （本体, コントロールヘッド）

　「FTM-500D」シリーズは50WタイプのD(94,600円税込）と20WタイプのDS（89,100円税込）があり、3月中の発売を予定している。