2023.03.01 JAXA、約13年ぶりの募集 候補者選抜2人お披露目、28歳現役外科医と46歳世銀専門官
お互いに、はにかみながら画面越しに握手を行った米田氏(右)と諏訪氏
宇宙航空研究開発機構(JAXA)が選抜を進めていた宇宙飛行士候補2人が決まり、東京都内で2月末、発表された。約13年振りの募集となった今回、過去最多の4127人の応募があった。
候補者は、諏訪理(すわ・まこと)氏(46歳)と米田あゆ(よねだ・あゆ)氏(28歳)。
諏訪氏は東京都出身の茨城県つくば市育ちで、世界銀行の上級防災専門官。13年前の募集にも応募したが、1次試験で不合格に。2度目の応募となった今回、晴れて候補生に選抜された。宇宙開発について「色々な国でもっと成果を感じられるようになって欲しい」と語り、日本がリーダーシップを取ることに貢献したいと語った。
米田氏は東京都出身の京都市育ちで、日本赤十字社医療センターの外科医師。幼少期に父親からプレゼントされた向井千秋氏の伝記漫画がきっかけで、宇宙飛行士に憧れるようになったという。今後多くの人類が宇宙へ行き、滞在時間が長くなる未来に思いを馳せ、「宇宙空間で人体に何か起こったときにキャリアを生かしたい」と思いを語った。
2人は今後、4月1日にJAXAに入る。以降は基礎訓練を経て、訓練結果を評価のうえ、JAXA宇宙飛行士に認定される予定。
当日の記者会見にリモートで出演した諏訪氏と、会場にいた米田氏は、記者から画面越しでの握手を求められる場面も。お互いに、はにかみながら画面越しに握手を行った。
2人がかつて宇宙飛行士に憧れていた子どもだったように、「あの月に行ってみたい」――そんな思いを抱く子どもたちが、今夜も世界のどこかで決意を新たにすることだろう。
(3日付電波新聞/電波新聞デジタルで詳報いたします)