2023.07.27 マイクロソフト、生成AI技術の提供を日本政府に提案 自民党PTの会合で

自民党デジタル社会推進本部のPT会合であいさついする平井本部長(左)=27日、東京都千代田区の党本部

 利用者の指示に基づいて文章や画像などを自動作成する生成AI(人工知能)を活用する動きが急速に広がる中で、米マイクロソフトは日本国内のデータセンターを拡充し、日本政府に生成AIに関する基盤技術を提供すると表明した。27日に開かれた自民党デジタル社会推進本部(本部長・平井卓也衆院議員)の会合で提案した。

 今回の提供方針は、日本マイクロソフトが同本部の「AIの進化と実装に関するプロジェクトチーム(PT)」の会合で説明した。

 官民が安心して使える生成AIの基盤「大規模言語モデル(LLM)」の開発・利用ニーズの高まりを踏まえてマイクロソフトは、日本のデータセンターに専用サーバーを設置。機密性の高い重要情報を扱う政府や企業でも、生成AIの最新機能を「国内完結」で安全に利用できる環境を整える。東日本に設けるデータセンターを拡充するもので、アジア初の取り組みという。

 会合で焦点を当てたテーマは「AIの発展を支える計算資源の確保」。生成AIの開発に必要な環境づくりを支援する経済産業省の政策やAWSの取り組みも紹介された。

 会合後の記者会見で平井本部長は官民からの提案を踏まえ、「日本にも基盤モデルを自らの手でやりたいという人たちがたくさんいる。そういう人たちに開発環境を与えるという意味では有力な選択肢が増えた」と力を込めた。
(後日の電波新聞/電波新聞デジタルで詳報予定です)