2023.08.30 キヤノンMJが映像ソリューションで店舗向けDX推進 店舗AI映像解析でAWLと資本提携 今後は人手不足対策など注力
キヤノンMJとAWLのロゴマーク
キヤノンマーケティングジャパン(キヤノンMJ)は、店舗向けAI(人工知能)映像解析とコンサルティング力に強みを持つスタートアップ企業のAWL(アウル)と資本業務提携を締結した。ネットワークカメラ、映像管理ソフトウエア、映像クラウドサービスとの連携による映像ソリューションで、店舗向けデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進する。
キヤノンMJグループは、2025年ビジョンとして「社会・お客さまの課題をICTと人の力で解決するプロフェッショナルな企業グループ」を掲げ、ITソリューション事業を中核とした企業への変革を進めている。同事業成長の中核として「Edgeソリューション」の強化を進め、その一環として映像とAIを組み合わせた映像ソリューションにより、さまざまな業種や業態のDXを支援している。
一方、AWLは店舗向けのAI映像解析とコンサルティング力に強みをもつ。自己学習型AIモデルによる店舗内のヒト・モノの検知に特化したソリューションを提供している。また、検証から開発のサイクルを高速に進めるための実店舗環境をもち、そこで得た業務ノウハウをAIモデルに反映、店舗における業務効率化や付加価値創出を支援している。
近年、店舗運営は、働き手不足から業務負荷が高まっている。店舗向けシステムなどデジタル技術を活用した効率化への取り組みが進んでいるものの、業務負荷は高い状況が続いている。また、現状、既設の防犯カメラの映像データは、防犯用途としての利用に限られており、店舗内の売り場の状況や来店者の行動など、リアルタイムかつ膨大な情報が集まっている映像データを最大限に活用できていない。
キヤノンMJは、今回の資本業務提携により、AWLのAI映像解析とネットワークカメラ、映像管理ソフトウエア、映像クラウドサービスとの連携による映像ソリューションを開発し、店舗向けDXの共創を進める。さらに今後は映像にとどまらない店舗運営に関わるさまざまなデータの活用、人手不足対策などに注力する。
AWLは今回の出資(第3者割当出資)を受けて、強みであるエッジデバイスに最適化されたAIモデル開発の基盤技術であるAWL Engine(アウルエンジン)や、そのAI精度維持(MLOps)機能であるAWL Trainer(アウルトレーナー)といったコア技術に磨きをかけるとともに、今後の持続的な成長を支えるグローバルな研究開発体制の強化を進める。
両社は最先端エッジAI映像解析技術および、IoT活用・導入の豊富な実績を掛け合わせたAIソリューションを提供していく。
協業内容は次の通り。
①キヤノンMJの顧客基盤ならびに販売チャネルを活用したAWLのAI映像解析サービスの小売業界向け共同提案。
②AWLのAI映像解析サービスの小売業界向け新機能の共同開発。
③キヤノングループのネットワークカメラ、映像管理ソフトウエア、および映像クラウドサービス〝VisualStage〟と、AWLのAI映像解析サービスとの連携による、小売業界向け新たなソリューションの創出。