2023.09.22 【部品メーカー商社ASEAN特集】サンワテクノスベトナム サンワテクノス
谷 GD
顧客に合わせた自動化提案を推進
サンワテクノスは、ASEANの重要拠点の一つとして、ベトナム法人「サンワテクノスベトナム」(ハノイ、谷淳平ゼネラルダイレクター〈GD〉)を展開。代理店ビジネス、グローバルSCMソリューション、エンジニアリングビジネスなどを柱に顧客に密着した活動を展開している。
同法人は、2013年設立のハノイ駐在員事務所をベースに16年5月に設立された。19年8月にはホーチミン事務所も開設。設立以降、順調にビジネス規模を拡大している。従業員数は計19人。エンジニアも2人在籍する。
同法人は、代理店ビジネス、グローバルSCMソリューション提案、エンジニアリングビジネス、現地加工部品メーカー製品の提供などを行い、日系を中心とした電子部品販売が売り上げの9割近くを占める。
エンジニアリングビジネスでは「技術商社として、自社のSEを活用し、自動化設備への構想から導入まで一貫したサポートを提供している」(谷GD)。
22年度(12月期)売り上げは過去最高の約24億円に達した。谷GDは「23年度は半導体市場の調整などによりやや踊り場的状況だが、高水準の受注残もあり23年度上期も前年同期比増収を確保した。受注反転時期の予測は難しいが、24年度からは再度、市場が上昇に転じるとみている」と話す。
同法人では、今後も中期で売り上げ規模を大きく拡大させる計画。エリア別では、主力の北部に加えて、ダナンなどの中部、ホーチミンを中心とした南部でのビジネスを強化する。
「米中摩擦や脱中国の動きを背景に、受け皿として業界のベトナム進出が加速している。中部では多くの企業が進出を計画・検討しており、需要の伸びが見込まれる。南部は優良企業も多く進出し、需要の見込みは大きい」と谷GDは話す。
今後の戦略では、代理店ビジネスは、技術商社としての付加価値提案を実施し、顧客要求に合わせた自動化提案を推進。工場新設需要への提案では、サブコンとの協業体制を構築し、特にCO2削減提案を強化する。「中国からの移管投資が活発な北部では、新事務所開設も検討している。ホーチミン事務所の拡張も検討中」(谷GD)。
人員も順次増員する計画で「技術メンバーの育成とともに、24年以降は営業スタッフを増員し、ローカル企業への営業力を高める」(谷GD)。