2023.09.22 【部品メーカー商社ASEAN特集】東亜無線ベトナム 東亜無線電機
岡田 社長
販売だけでなく生産拠点体制も
東亜無線電機は、海外で中国のほか、ASEAN地域で拠点を開設している。TOA MUSEN VIETNAM(東亜無線ベトナム)は、販売機能だけでなく、モノづくりのライセンスも取得し、生産拠点としての体制を整えた。EMS機能も備え、ASEANでの活動を強化する。
東亜無線電機のグローバル体制は中国の香港、上海、深圳とベトナムの4拠点。ベトナムは2016年にホーチミン郊外のドンナイ省で設立。アンフック工業団地内に立地する。今年で創業8年目となる。スタッフの体制は現在7人。日系企業の産業機器向けを中心に、電子部品や基板、ハーネスユニットはもとより、地域性を生かし、金属加工品などを提供している。岡田康治社長はこの5月に現地に着任した。
1~6月の実績は、前年より大きく上回る形で着地した。電子部品、半導体、コネクターなど全般的に物が動いた。昨年夏から続いていた在庫不足に対応する需要が継続していた。一方、7~9月は、取引先の在庫調整局面で落ち着き感があるものの需要が活況になり始めた昨年の同期と同じ水準。10~12月は、厳しさが残るものの来年には前年以上の水準になる見込みだ。
同社ではこのほど、商社機能のほか、モノづくりのライセンスも取得し、生産体制を整えていた。どの商品を生産するかなどの方向性は現在準備中。体制が整い次第、年内に従業員も拡大する予定。生産人員は約30人を採用する予定。
岡田社長は「これまで電子機器の部署を経験したほか、モノづくりに携わる仕事にも従事してきた。これまでの経験を生かし、今後の飛躍につなげたい」と話す。
営業面では、ベトナムの現地ローカル企業も開拓し販路を拡大する。また、ベトナムに進出している日系企業への提案も強化する。
ベトナムでの基盤を固めた後には、周辺国への提案体制も強化する。「ベトナムは経済が活気づいている。海外からのビジネスマンや観光客も増えた。スマートフォンなどへの消費も旺盛で、全体的に良い印象」(岡田社長)。
岡田社長は「ベトナムを含めたASEANは、チャイナプラスワンの考え方から、モノづくりの拠点として注目を集めている。BCPの観点からも日系企業だけでなく欧米系も進出を予定している。この動きをチャンスと捉え、自らモノづくりを推進し、取引先のモノづくりに貢献できる体制を整えたい」と語った。