2025.07.23 車内の高速通信規格、「GMSL」が標準化へ 新団体設立 TDK、村田などが参画
OpenGMSL Associationのロゴ
自動車のOEM(相手先ブランドによる生産)メーカーやティアワンサプライヤー、半導体メーカーなどが連携し、車載コネクティビティーの標準化団体「OpenGMSL Association」が立ち上がった。自動運転やADAS(先進運転支援システム)の進展に伴い、車内で扱う信号が年々増加していることなどが連携を後押しした形で、6月初旬に設立された。
米アナログ・デバイセズ(ADI)が提供する高速通信技術「GMSL」を国際標準規格とし、ADASなどの開発を加速する狙いだ。GMSLは、車載カメラからECU(電子制御ユニット)までの信号を1本のケーブルで高速伝送できる点が特長。配線の簡素化や軽量化が可能になり、自動車の設計効率やコスト削減にも貢献する。
新団体のプレジデントであるポール・フェルナンド氏は「GMSL搭載ICは既に10億個以上が出荷されており、25社超のOEM、50社以上のティアワンで採用されている。よりオープンで協業可能なエコシステムに発展させていく」と語る。
OpenGMSLには、ADIやクアルコム、オムニビジョンのほか、TDKや村田製作所、デンソーなども参画。独立した理事会のもと非営利で運営され、国際的な参加を促進。マルチベンダー間の互換性を確保するため、製品には規格適合性試験が義務付けられる。
車載通信の標準化により、ADASや自動運転、次世代インフォテインメントの開発スピードの加速に期待がかかる。今後、自動車の進化を支える技術基盤として注目が集まりそうだ。
<執筆・構成=半導体ナビ>