2023.09.25 【九州・山口産業特集】明光電子 若手起用で新アイデア取り入れ

明光電子のロゴ

根本 社長根本 社長

 明光電子は、中長期戦略の一環として成果主義に基づいた組織改編を進めている。営業は、現場での経験が豊富な30、40代の若手を起用。若返りを図り、会社全体に新しいアイデアを取り入れることで、業務効率化につなげる考えだ。

 昨年度(8月期)の売り上げは104.5億円を達成。エネルギーや原材料の高騰による半導体価格上昇の恩恵も受け、過去最高の売り上げとして更新した。

 昨年までは半導体不足の影響で市場品を求める声が大きかったが、ここ半年は、本来の正規ルートによる購入が増加してきた。ただ品種によっては納期不安が依然続いており、先納期の注文も多いのが現状だ。

 今年度は顧客の在庫調整の影響も踏まえ、78億円の予算を計上。昨年度より売り上げは減少すると見る一方、根本敬継社長は「短期的な売り上げの増減は気にしていない。売り上げよりも利益を確保することが最優先」と話す。若手社員の育成に力を入れるなど、5、10年先を見据えた鳥瞰(ちょうかん)的な視野で戦略を組み立てる。

 売り上げは10年前と比べて2倍以上に増加しているが、営業人員はほとんど増やしていない。一人一人の生産性向上と業務効率を上げていくことで少数精鋭で利益を上げる方針だ。

 春以降の組織変更では、各営業拠点長として新規に課長クラスを就任させた。マネジメント能力やリーダーシップのほか、同社の経営理念を忠実に実行できる人材を昇進させたという。

 今回就任した若手は以前から、業務効率化に関する意見を積極的に提案している。新たに導入した営業支援ツールによるペーパーレス化で社内資料を大幅に削減。商談の進行状況などもリアルタイムに管理できるように改善を図った。今後も若手のアイデアを取り入れ、業務効率化を進めていく。情報過多となったホームページも一新させる予定である。

 今年度の注力商材は、九州テンのキュリオット(IoTゲートウェイ)とSIRCの電力センサーモジュールを組み合わせた電力見える化お試しパック。電気代高騰による、工場やビルの電力見える化ニーズに対応する考えだ。