2020.03.04 【コンデンサ特集】技術動向 タンタルコンデンサ

タンタルコンデンサはポリマー系の超低ESR化の薄型品が携帯端末で市場を拡大

小型、大容量、低ESRなど推進

 タンタルコンデンサは、タンタル粉末を誘電体として、陰極に二酸化マンガン、導電性高分子を使ったもの。小型、大容量を特徴としており、PC、タブレットを中心にデジタル機器を主力需要分野としている。

 大容量化するためにはタンタル粉末の微細化で表面積を拡大し、CV積を大きくすること。タンタル粉末のCV積は、12年に20万CVだったのが、16年では30万CVへと大きくなり、これに伴い容量が飛躍的に拡大している。

 小型化では、構造を一般的なモールド構造から下面電極構造にすることで薄型化。現在では厚み1ミリメートル内外まで薄型化技術が進展している。

 さらに基板端子構造を採用することで、2012サイズが1608サイズ、さらには1005サイズへと小型化している。小型、薄型化によって、スマホへの搭載が可能になっている。

 低ESR化を推進するためには、陰極材料を二酸化マンガンから比抵抗の小さい導電性高分子に代替することで、10分の1以下の低ESRを実現できる。

 ESRはサイズが小型化すると増大する傾向があることから、小型、薄型のタンタルコンデンサでは、導電性高分子材料を使用する動きが強まっている。

 総じて、タンタルコンデンサは、高CVタンタル粉末、導電性高分子材料を使い、下面電極構造や基板端子構造を採用することで、小型、薄型、大容量、低ESRを推進し、用途を拡大している。

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