2023.11.29 世界の半導体市場、来年は前年比13%増へ 生成AIなど後押し WSTS予測
世界半導体市場統計(WSTS)は28日、秋季半導体市場予測をまとめ、2024年の半導体市場は前年比13.1%増の5883億㌦(約87兆円)になるとの見通しを示した。過去最高だった22年(5740億㌦)を2年ぶりに更新する見通し。生成AI関連で半導体の需要が伸びるとみる。スマートフォンやパソコン(PC)、民生品向けも回復しそうだ。
まとめによると、22年の世界半導体市場は前年比3.3%増。世界的なインフレやそれに伴う利上げ、地政学的リスクの高まりなどが個人消費や企業の設備投資等に影響し、半導体市況は年途中からメモリを筆頭に多くの用途・製品で悪化した。
23年は同9.4%減と19年以来4年ぶりのマイナス成長を予測。22年途中から続く下押し要因から、メモリーを始めほとんどの製品で年前半はマイナス成長だった。
一方、利用が急拡大している生成AIの恩恵を受けやすいロジックの急増を始め、メモリーやマイクロなどの需要も改善して、年後半に向けて市場は回復に転じている。通年では前年比1桁のマイナスにとどまるとみる。
また、省エネ・高効率化に必須のパワーディスクリートは年間を通して安定成長となるものとみた。
24年は市場が再拡大すると予測。生成AI関連やパワーディスクリートの需要が引き続き成長することに加え、年後半からの景気回復期待を念頭に、電子機器全般の需要が拡大するとの想定もおりこまれた。(30日の電波新聞/電波新聞デジタルで詳報予定です)