2023.12.20 【EMS特集】東英ホールディングス 開発から量産までシームレスに展開
受託製造事業拠点・東莞東英電子工業のSMTライン
東英ホールディングス(福島県石川町、藤原繁樹代表取締役、藤原歳樹代表取締役)は、開発から試作、量産まで受託するシームレスなEMS事業を展開している。
1971年に音響機器製品の開発、製造、販売を行う「東英工業」を設立。カセットメカに始まり、時代に合わせ、VHSビデオメカやCD、CD-ROMやDVDドライブなどメカモジュールの生産を主力に事業を展開してきたが、音響機器市場の縮小に伴い生産品目を拡大して、EMSへと事業の軸足を移した。
現在は2022年に設立した東英ホールディングスの傘下に受託設計部門のT&Hデザイン(福島県石川町)、ファイナンスや購買、物流を担う香港東英電子工業(香港)、受託製造の事業拠点、東莞東英電子工業(中国・広東省東莞市)を擁し、マレーシアにも生産を行う協力企業を設けている。
T&Hデザインは、PCBなど回路ハード設計とモーター駆動機構、ケースなどの機構設計、組み込みソフト開発などを行っている。東莞東英電子工業は精密プレス加工、樹脂成型など部品加工事業や、SMT5ラインによる基板実装、最終組み立てまでの量産体制を整えている。スカラロボットを活用したピック&プレースなどの自動化設備の内製化も手掛けている。
マレーシアの協力企業とは資本関係はないが、東英グループの一員として基板実装から完成品までの生産活動を行っており、今後生産能力を拡充する。
現在の生産品目はイコライザーやオーディオミキサーなど音響機材をはじめ美容機器、アミューズメント機器、金融機器、ウエアラブルデバイス、IoT生体デバイスなど幅を広げている。
同社は部品・部材調達のための充実したサプライチェーンを有している。日本のみならず、特に89年に中国に進出して30年以上にわたって構築してきた金型まで含む華南地区や香港のサプライチェーンは同社の強み。また、日本国内では協力工場による試作や多品種少量生産品も受託し、取引先からは「小回りの利くEMS」としての評価が高い。