2024.01.03 【暮らし&ホームソリューション特集】’24展望 調理家電

おいしさを追求する炊飯器

おいしさ追求の製品が増加
炊飯器など高単価品に人気

 "コロナ禍の巣ごもり需要といえば調理家電"というほど、自動調理鍋やホットプレートなどさまざまな製品が大きな話題になった。現在は、食事を楽しむ傾向から、おいしさを追求する傾向へと移りつつある。

 日本電機工業会(JEMA)の2023年度上期(4~9月)の電気機器の状況によると、電子レンジの国内出荷台数は135万8000台で前年同期比9.3%減だが、金額では同0.5%増。

 炊飯器も204万1000台で台数ベースでは同5.1%減だったが、金額では同2.1%増となっており、高単価製品の人気が分かる。

 象印マホービンは、圧力IH炊飯ジャー炎舞炊きシリーズの販売が23年12月に累計70万台を突破した。

 かまどの炎のゆらぎに着目した炎舞炊きは、底IHヒーターを複数に分けて、それぞれ独立制御する業界初の「ローテーションIH構造」を搭載している。蓄熱性・発熱効率・熱伝導に優れた「鉄(くろがね仕込み)豪炎かまど釜」を採用するなど、内釜にもこだわった。

 タイガー魔法瓶は、IHジャー炊飯器「ご泡火(ほうび)炊きシリーズ」のラインアップを拡充した。

 土鍋ご飯を味わうプレミアムモデル「JPL-H100」は、「連続ノンストップ加熱」を搭載。独自開発の「ハリつやポンプ」で、まき火で炊き上げたようなおいしいご飯に仕上げる。

 エントリーモデル「JPI-X100/X180」は、「遠赤9層土鍋かまどコート釜」を採用した。内鍋外側には「かまどコーティング&土鍋蓄熱コーティング」を、内鍋内側には「遠赤土鍋コーティング」を施し、土鍋のような味わい深いご飯を炊き上げる。

 主食の米をおいしく食べたいユーザーに応える製品が多く誕生した一方で、おいしさの追求は、主食だけではなく食卓全体に広がっている。

 パナソニックは、スチームオーブンレンジ「ビストロ」NE-UBS10Aをはじめ、新製品の可変圧力IHジャー炊飯器、自動調理鍋オートクッカーやホームベーカリー、オーブントースターと、「ビストロ」をシリーズ化。

 UBS10Aは、独自の「ヒートグリル皿」と新設計のアンテナ制御で、一度に4人分まで、むらを抑えて一気に調理できる。多様化する要望に対応し、手軽に調理できるメニューを増やした。

 各メーカーが製品をシリーズ化し、ファンを獲得している。今後も、ファンの期待に応える新製品が誕生するだろう。