2024.01.03 【暮らし&ホームソリューション特集】’24展望 快適さ・癒やしを支える家電
癒やしロボットは注目市場
癒やしロボットなど期待
スポット家電で快適さ求める
快適さや癒やしを支える家電への注目度が増している。QoL(生活の質)の向上にも直結するもので、コロナ禍を経てライフスタイルがさらに変化する中、重視される傾向はますます強くなっている。
「脱コロナで旅行する人が急増する中、ペットに配慮する流れが大きくなった」。そう語るのは、ルームクリップの水上淳史主任研究員だ。
コロナ下では癒やしを求めてペットを飼う人が増えた。関連して自動給餌器や自動給水機、自動トイレなどのペットテック製品も盛り上がりを見せ、家電量販店の一角にも専用コーナーができるほど市場が広がっている。ルームクリップが運営する、部屋の実例写真を共有するSNS「RoomClip」でも、ペットテック製品の投稿が昨年増加し、年間アワードのキーワードになった。
こうしたペットテック製品は、ペットと暮らす人にとって、QoLを支える家電として存在感を高めている。
動物ではなく、ロボットに癒やしを求める人も増えつつある。
モバイルバッテリーなどを展開するアンカー・ジャパンは昨年12月、ペットロボット「Loona Blue(ルーナ ブルー)」の販売を開始した。
KEYI technologyが開発した癒やしロボットで、音声やジェスチャーを認識して反応したり、頭をなでると喜んだりと、1000以上のパターンで感情を表現する。
アンカーは「癒やしロボットの市場規模はまだ未知数」としているものの、愛くるしい動きで、日々の暮らしに癒やしをもたらす存在になる。
シャープの「ロボホン」やソニーの「アイボ」も根強いファン層を捉えて離していない。ルーナも昨年3月、応援購入サービス「マクアケ」で先行販売し、大きな金額を集めたロボットだ。今後、こうした癒やしを提供したり、家族のような存在になったりする家庭用ロボットは増えていくはずだ。
快適さを提供する家電も幅広いものが登場してきている。夏場に活躍するネッククーラーもそうした家電の一つだ。
記録的な猛暑となった昨年に限らず、最近ではネッククーラーを首にかけて移動する人が増えている。活躍シーンが限られるスポット家電ではあるが、ペルチェ素子で首元を冷やしつつファンで風を送るなど、ハンディーファン以上に暑さを和らげてくれて、快適性につながる。
エアコンのように部屋全体を快適にするものではなく、移動や睡眠など特定のシーンを快適にするような家電の動向には、今年も注目したいところだ。購買は個人の価値観にも左右されるため、万人から支持を集めるような製品とは言い難い。半面、そうした家電の登場が、市場全体を活気づけるきっかけになる可能性も秘める。快適や癒やしに関連する家電は今後も拡大が期待できる。