2024.02.06 【コネクター特集】I-PEX 小型電源端子コネクター、大電流・高温環境に対応

 I-PEXは、小型電源端子コネクター「APシリーズ」において、より大電流かつ高温環境に対応した電源端子兼スペーサー「AP-TSS10」およびラグ端子「AP-LT10」の2製品を開発した。

 「AP-10」は、車載充電器、インバーター、コンバーター向けの高電流・高温対応の小型基板間接続端子。小型ながら耐熱性に優れた高導電銅合金を使用することで定格電流16A対応を可能にした。

 独自のばね構造とフローティング機能によりコネクター嵌合(かんごう)時の軸ズレを許容した上で接触信頼性を確保した設計。

 EV/PHVに搭載される車載充電器は、航続距離を長くするため大容量バッテリーを短時間で充電完了させるための高出力化が求められている。また、今まで機構部品しかなかったスペースにバッテリー、充電器、インバーターやコンバーターなどの電動化による新たなパーツが搭載されたことにより、それらは小型化、高密度化が求められている。同社のAP-10は、こうしたニーズに対応した製品。

 同社は、APシリーズの新製品として、大電流(32A)、高温(125度)に対応した電源端子兼スペーサーAP-TSS10と、ラグ端子AP-LT10を開発した。開発した2製品は、AP-10から材料や構造を変更したことで、より大きな電流と高温な環境に対応可能。AP-TSS10は基板上にSMTで実装、AP-LT10はもう一方の基板のスルーホールの上下にリフローで実装する。両方の実装後、最後に上からネジで締め付けることにより基板間接続を行う。ネジ結合の際の基板へのダメージを軽減できる。