2024.06.27 【複合機&プリンターソリューション特集】MPSサービス
ESGの視点からもオフィスの最適環境が求められている
BIツールとの連携などで
経営分析の活用広がる
オフィスのプリント環境の最適化を提案するアウトソーシングサービス「MPS(マネージド・プリント・サービス)」が、BIツール(ビジネス・インテリジェンス・ツール)との連携など、データによる経営分析としての活用が広がっている。ESG(環境・社会・ガバナンス)経営が求められる中、MPSの重要性が高まっている。
MPSは、オフィスの複合機やプリンターなどをはじめとする出力環境の改善と運用管理などトータルでサポートするアウトソーシングサービス。最適な出力環境を実現するために、出力状況などを見える化し、機器の最適配置を提案、構築、さらに継続的に改善を支援する。
富士フイルムビジネスイノベーション(富士フイルムBI)の白旗謙次朗ビジネスソリューション事業本部マーケティング部サービス企画グループ部長は「オフィス回帰も進み、MPS市場も急激な伸びではないが、回復傾向にある。とは言え、リモートワークが定着し、また、ペーパーレス化も進んでいる。デジタルをベースにした仕事が主流になってきており、MPSに求められるニーズも変化してきている」と分析する。
紙を出さない働き方に対する認識は、確実に高まっている。IT人材の不足、サーバーセキュリティー対応、さらに環境面から特に、MPSを導入する企業が増えていると市場動向を分析する。
MPSは、従来のプリント環境の最適化に加え、環境、セキュリティー、ガバナンスなどESGの視点からのニーズが高まっている。
同社では「MPS Guardia(ガルディア)」を提供している。MPS Guardiaでは、出力環境の最適化と出力の管理業務を支援する「コストコントロール」、出力機器の稼働情報の自動取得と迅速な対応を行う「プロアクティブサポート」、サービス稼働状況の確認やさまざまな依頼ができるポータルの提供などの「ユーザビリティー」、出力機器をリモートで集中管理し、出力のガバナンスとセキュリティー管理するサービスを提供。さらに新たな機能として「ECO推進機能」を追加している。
ESGの強化の背景には、ハイブリッドワークの普及で「オフィス以外で働く環境が定着してきている」(白旗部長)こともある。コンビニでのネットプリントなど、社外での出力も合わせ、トータルな出力環境の管理が求められてきている。
また、同社が提供するDXを促進するクラウドサービス「FUJIFILM IWpro」なとの連携だ。「MPSのデータをうまく活用し、業務改善を提案している」(白旗部長)。また、同社のほかのソリューションとの連携などを強化していく方針。
MPS Guardiaと同社のハンドリングソフト「ドキュワークス」との連携も既に始めている。
今後は、MPSと企業が持つさまざまなデータを分析するBIツールとの連携で、経営の見える化の促進などが求められてくる。
「目に見えるコストに加え、生産性など目に見えないコストを改善していくことが、MPS導入のポイントになる」などと、リコーでもMPSに注力する。
コニカミノルタは「コニカミノルタOPS」を早くから展開、グローバル実績を上げている。OPS(オプティマイズド・プリント・サービス)の名称で、MPSを提供している。
キヤノンは、全世界共通のマネージドサービス「キヤノン・マネージド・ドキュメント・サービス」を提供。国内販社のキヤノンマーケティングジャパンでは、企業の業務を受託するBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)サービスとして、エプソン販売は、複合機の消費電力削減・適正配置のニーズに対応、出力アセスメントサービスとしてMPSに注力している。