2025.01.09 【電子部品総合特集】部品メーカートップに聞く 2025年の経営戦略 指月電機製作所 足達信章社長
足達 社長
環境変化に対応、新技術も導入
今年は変化の大きい年。慎重にものごとを見通さなければならない。特にxEV向けは、足元で引き合いがあるが、取引先によって感触も違ってくる。国内だけでなく海外も注視しながら状況を確認していく。
今年の7月以降に関連する自動車業界が立ち上がってくるという情報もある。ただ、不安要素もあり、見通しにくい部分もあるが、案件を見極めて収益を確保していく。
一方で、中長期的にみると、2028~30年の開発案件が多い。早期のうちに次の案件の見極めをすることが重要。昨年が踊り場と見て、今後の伸びに期待したい。
産業機器向けはインフラ向けの需要や工場設備の需要などで今後も伸びるとみる。省エネや節電のニーズは高まっており、先々の案件も決まってくる。伸びは昨年と比べて緩やかになるかもしれないが、グローバル化にもしっかりと対応し、次の需要を獲得する。
電力・環境省エネ向けは、比較的安定して需要を獲得できている。今後も堅調に推移するとみる。先々の案件も入っており、新しい技術の導入も進む。
工場設備の電力回生ではトヨタ自動車の元町工場で、電解コンデンサーを用いた電力回生インバーター装置「PAR-CuBe(パルキューブ)」の開発と実証試験を実施。この技術をほかの工場へ展開中だ。リユースバッテリーを搭載したパルキューブを実証試験用としてほかの企業の製造ラインに納入した。
エネルギーマネジメントの基本的な考え方において、電気を「つくる」「はこぶ」「ためる」「まもる」「うける・くばる」「つかう」ことは、重要な要素。エネルギーを有効活用するためにもこの考え方に基づいて、役立つ会社になることが大切だ。そこに当社の技術がなくてはならないような開発を進める。
次期中期経営計画(第Ⅲ期25~28年度)は現在策定中。慎重に計画を立てている。課題はどのように伸ばすか。xEVで得た技術をほかの事業にも融合し、磨きをかけることが大切だ。経営の基本方針 「∫IΣS(シムス)」の考え方を基軸に、部署を超えた力を融合し、日々改善、日々前進を心に刻み、環境変化に対応できる力を付けていきたい。