2025.01.16 【計測器総合特集】テクシオ・テクノロジー 高岡秀臣社長

高岡 社長

パワエレ向け大容量新製品を投入

 テクシオ・テクノロジー(横浜市港北区)は2022年、23年と売り上げが急激に伸長。顧客の先行発注の反動もあり、24年の業績は伸び悩んだが、マルチメーターや安全試験器、データ収集システムは幅広い分野を対象に好調に推移した。

 高岡秀臣社長は「電源市場は中容量が踊り場にある。一方でEV(電気自動車)シフトに陰りがあると言われていても電動化への大きな流れは止まらない。開発投資は行われるので、パワーエレクトロニクス向けの大容量の新製品を投入し、巻き返しを図る」と意欲を示す。

 昨年12月から、大容量ワイドレンジ直流安定化電源「PHUシリーズ」の受注を順次開始。同シリーズには出力電圧80~1500Vをラインアップしており、EVや太陽光発電システムなど、さまざまなアプリケーションの需要を見込む。

 交流電源は「家電製品が下火になり、ニーズは落ちたが、ここ最近はOBC(車載充電器)をはじめ、大容量でのニーズが高まっている」(高岡社長)。

単相・単相3線・三相交流と直流に対応した安定化電源「ASR-RKシリーズ」の受注を昨年12月に開始。出力容量は9/12/13.5/18kVAの4モデルをそろえ、今後、24/30/36kVAの各モデルも投入する。

 営業体制を強化する。1月にソリューション営業のチームを結成し、ターゲット顧客へのアプローチを積極化。自社の重要製品をはじめ、複数の製品をカスタマイズして提供するソリューション製品の提案を強化する考えだ。同チームには製品知識や顧客の技術知識に詳しいスタッフをそろえ、効率の良い活動を展開していく。価格競争ではなく、高付加価値を重視する。

 高岡社長は「電池市場は電池メーカー以外に裾野が広がっている。リチウムイオン電池の評価を自動車メーカー自体が行い始めている」と指摘する。電池市場への投資は継続的に実施されると予測。電池の充放電システムの新たなソリューション製品を投入する計画だ。

 25年はほかにも新商材の投入、新事業の実施を検討中で、業績の大幅な向上を見込む。