2025.01.17 【情報通信総合特集】情報サービス トップに聞く 25年の見通し・経営戦略 OKI 加藤圭執行役員グローバルマーケティングセンター長

新領域で将来事業創出

オープンイノベーション展開

 当社は海外事業リスタートと将来事業創出に取り組んでいる。昨年4月にグローバルマーケティングセンターを設立。市場成長性とOKIの強みを生かしたエッジプラットフォームで、注力領域のグローバル事業化を推進している。また、物流、ヘルスケア・医療、高度遠隔運用、CFBの注力4領域に加え、オープンイノベーションを推進。プラスαとして新しい領域で将来事業を創出していく。

 世の中の速いスピードに対応するには、当社の技術だけでなく、世界中の技術革新をプラットフォームに取り込むオープンイノベーションを進めていくことが重要だ。スタートアップ企業の技術も積極的に取り込んでいく。第1弾として、アクセラレーター大手の米Plug and Playとパートナーシップ契約を締結し、シリコンバレーを拠点としたオープンイノベーション活動を開始している。

 シリコンバレーを拠点として常駐するとともに、米国を中心にアジア、欧州などへも活動範囲を拡大し、多数のスタートアップとの連携を推進していく。当社の技術戦略と一体となったシナジーが明確なノンコア技術の探索、エッジプラットフォームを強化するオープンイノベーションを展開。シリコンバレーのR&D拠点と国内のグローバル先行開発室との連携も図っていく。

 当社は、ATMやプリンターで早くから海外展開を行っており、海外に1000人以上の外国人スタッフがいる。こうした既存の海外拠点も積極的に活用していく。このため、海外スタッフのイノベーション教育などにも力を入れている。

 グローバルでの社会課題やニーズに対応し、新規事業を創出していく。このため、既存技術を生かした衛星データ取得・高度遠隔運用・CFB技術を基盤に新たなビジネス領域をグローバルに展開。注力分野として、衛星観測データでスマート管理システムを実現するアグリテック・農業ICT、エッジ+社会リモートセンシングでインフラ監視・予測システムの高度化を実現するインフラ(気候変動対策、交通)、観測衛星を活用した海洋モニタリングの防衛・航空・海洋、遠隔医療・遠隔手術、また、小売り・製造と物流のシナジー効果による倉庫無人化、商用EVと周辺インフラのフリートマネジメントなどにフォーカスしている。

 当社は2031年を見据え、グルーバル社会の社会インフラの課題解決を目指している。目指す姿として、地上センサーに衛星データを活用したAI解析を組み合わせたリモートセンシングによる質の高い災害対策の仕組み、インフラ維持管理システムを提供していく。自然災害、社会インフラ整備などのグローバルな社会課題の解決に注力していく方針だ。