2025.01.21 【半導体/エレクトロニクス商社特集】エレクトロニクス商社 25年の経営戦略 ミカサ商事 中西日出喜社長

中西 社長

教育現場のDX支援などに注力

 ミカサ商事は、人と技術を結ぶエレクトロニクス商社として、価値ある製品、サービスの提供を追求してきた。

 同社は、2027年3月期を最終年度とする中期経営計画のスローガンで「人類の豊かな未来に貢献するテクノロジー企業グループ」と掲げた。ソリューションカンパニーからテクノロジーカンパニーに進化し、蓄積してきた知見を生かしながら技術力強化に取り組んでいる。ソリューションに先鋭的な技術を持ち、ビジネスを展開する。

 関連会社では、組み込み系ソフト・ハードの開発を手掛けるエムエスイでは開発力強化のため人員を拡充中。また、産業用ディスプレーの専門メーカーのガウディは自社設計のインターフェースで製品を開発。横浜の拠点の人員を強化中だ。

 今年は文教向けの取り組みに力を入れる。昨年春には、ストリートスマート社とGIGAスクール構想第2期に向けた学校現場の教育DXの支援を目的に業務提携を開始。児童生徒と教員の双方が最新の教育ツールを活用できるよう支援する。「今年から来年にかけて、GIGAスクール構想第1期で導入した機器の入れ替えが進む。児童・教諭のサポートができるシステムを提案する」と中西日出喜社長は語る。

 一昨年は創業75周年の大きな節目を迎えた。その年の5月には本社オフィスを淀屋橋駅前の新しいビルに移転。執務スペースがワンフロアとなり部門、部署の壁を撤去した。以降、社員同士のコミュニケーションもとりやすくなり、職場環境も良くなったという。

 海外展開では、中国・上海拠点で人員体制を強化、香港拠点では効率化に努める。日系だけでなく、現地のローカル企業の開拓にも注力し、売りと買いのパートナーを拡充する。20年に拠点を開設したドイツは実績を高める方針。インドは拠点があるシンガポールから展開を強化する。

 中長期的な取り組みとして株式上場を目指していく。中西社長は「エレクトロニクス商社は収益力があっても評価されにくい。そのためにもソリューション提案と技術力でテクノロジー企業を目指す」と語った。