2025.02.19 大阪・関西万博まで約50日、パビリオン全容が続々と明らかに

シグネチャーパビリオン「いのちの未来」ではアンドロイドが披露された(中央が石黒氏)

光・音・風など空間で五感を刺激する技術で館内を演出(パナソニックグループのパビリオン「ノモの国」)光・音・風など空間で五感を刺激する技術で館内を演出(パナソニックグループのパビリオン「ノモの国」)

 2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)の開幕まで約50日となり、各パビリオンの展示内容が続々と発表されている。民間企業やシグネチャーパビリオンでは、最新技術を活用した独自の体験型コンテンツが登場するなど、万博ならではの未来体験が期待される。 

 民間企業パビリオンの一つ、パナソニック ホールディングスのグループパビリオン「ノモの国」は、建築・展示内装工事が完了して14日に竣工。同社が培ってきた「人の理解」に関する研究を基に、光・音・風などで五感を刺激する技術で館内を演出する。館内には、テクニクス製スピーカーによる23.4チャンネルの立体音響サウンドシステムや高輝度プロジェクターを導入し、没入感のある体験を提供する。

 無線タグとカメラによる体験者の行動分析システムも用意。天井から直径1.3メートルのボルテックスリング(ミストの渦輪)を天井から降り注がせる演出も取り入れている。

 シグネチャーパビリオンでは、8人のテーマ事業プロデューサーがパビリオンを手掛けている。そのうちの一つである「Better Co-Being」では、宮田裕章氏が指揮し、14日に展示概要を発表した。アーティストの作品や人との共鳴を導くツールである村田製作所の「echorb(エコーブ)」も披露された。

 エコーブは、特殊な振動で脳に錯覚を与える「3Dハプティクス技術」を搭載する新感覚のツール。会場には、エコーブを認識するLFアンテナを130カ所敷き詰め、鼓動センサー(ミリ波センサー、荷重センサー)と連携。来場者ごとに異なる振動波形を生成し、お勧めの作品へと導く仕組みを採用している。 

 ロボット工学の第一人者である石黒浩氏が手掛けるシグネチャーパビリオン「いのちの未来」も19日に概要を発表。このパビリオンは、ロボットと人の歴史、50年後、1000年後という3つのゾーンで構成している。

 館内には、約50体のアンドロイド・ロボット・CGキャラクターなどのアバターが存在。石黒氏は「テーマは『いのちを拡げる』。人間は科学技術によっていのちを拡げてきた。パビリオンは価値観と幸福感で発展する未来の人間社会を展示する」と語った。