2025.03.05 100人の外国籍スタッフが対応 エディオン、訪日客向け新サービス
事業戦略を説明する髙橋代表取締役社長執行役員COO
エディオンは5日、大阪市中央区のエディオンなんば本店でインバウンド事業の戦略発表会を開催した。訪日外国人観光客の増加を受け、「超・多国籍対応」と「『買い物観光』を楽しめるスポット」としての家電量販店の魅力発信を軸に、外国人向けサービスを強化する。
「インバウンド市場(の拡大)は、エディオンにとっても大きなビジネスチャンスと捉えている」。同日の会見で、髙橋浩三代表取締役社長執行役員COO(最高執行責任者)はこう力を込めた。
同社は、業界初の外国人向けショッピングツアーサービスに加え、購入商品の当日配送サービスを5日から開始。訪日外国人の消費が拡大するなか、利便性を高め、さらなる需要を取り込む狙いだ。
2024年の訪日外国人数は過去最高を記録し、韓国、中国、台湾、香港、アメリカの5つの国・地域で全体の7割を占める。訪日外国人の消費総額も前年の1.5倍以上となり、過去最高を更新。そのうち、買い物にかける費用は宿泊費に次いで多く、23年より増加傾向にある。
エディオンも、なんば本店など都市型店舗の免税売り上げが業績をけん引している。インバウンドによる売り上げはコロナ前を超える水準で伸びており、24年度は前年度に比べ200%のペースで推移している。
同社は、4月開幕の大阪・関西万博を契機に、万博出展国からの訪日客増加を見込み、新たなインバウンドの潮流が大阪から広がると予測し、攻勢に打って出る形だ。多言語対応や国別の購買傾向に基づく商品展開を強化するとともに、訪日客向けに日本ならではの量販店の魅力を発信し、買い物体験を充実させることを狙う。
インバウンド専門バイヤーを新設し、国別の購買データを分析することで、訪日客のニーズに合わせた商品選定や売場戦略を策定。ショッピングツアーでは、専任スタッフが来店客の言語に合わせたガイドを提供し、WEB予約で家電やお土産選び、免税手続き、使い方説明などを支援。外国籍のスタッフが約100人在籍するなんば本店からスタートし、英語や中国語、韓国語を含む最大11言語に対応する。同店4階のパウダールームでは最新の理美容家電の体験に重点を置いたツアーも実施する。
インバウンド向けの当日配送サービスには、Uber Eatsの配達員が購入品を当日配送する「Uber Direct」を活用。配送エリアは半径5キロメートル圏内で、利用料金は税込1000円。なんば本店、心斎橋店、道頓堀店から開始し、今後は対象店舗の拡大も検討している。
エディオンなんば本店店長の木下智博執行役員は「日本時間を『おもてなし』の精神で(当店での買い物を)最高の時間にしたい」と意気込みを語った。