2025.02.27 家電量販店4~12月期、ノジマが過去最高 ヤマダ、住宅事業で成果
家電量販店の24年4~12月期業績
主要家電量販店の2025年3月期第3四半期(24年4~12月)決算は、夏の猛暑と年末の寒波を追い風に、各社が季節商品の販売を伸ばした。特にエディオンは売上高が18年以降で最高を記録。ノジマは売上高、営業利益で過去最高を更新し、通期見通しも上方修正した。一方、上新電機は苦戦が続いた。
家電販売は堅調で、エアコンの販売が伸び、理美容家電や調理家電も順調だった。冷蔵庫は低調だったが、洗濯機は堅調。携帯電話も通信事業法改正による駆け込み需要の反動減から回復し、伸長した。
最大手ヤマダホールディングス(HD)は増収だったが、冷蔵庫の販売不振やポイント施策の影響で営業利益が減益。ただ、新業態店「ライフセレクト」の展開加速やEC(電子商取引)の売り上げ拡大が収益改善に寄与している。
エディオンはインバウンド需要やリフォーム関連の伸長が追い風となった。ケーズホールディングス(HD)もエアコンや理美容、調理家電が好調で、売上総利益も増加。ノジマは家電販売が堅調だった上、キャリアショップ事業の利益改善が進んだ。
一方、上新電機はエアコンや携帯電話の販売は好調だったが、ゲーム・模型・玩具・楽器の売り上げが減少し、苦戦した。
出退店では各社ともスクラップアンドビルドを推進。ヤマダHDは10~12月期に4店を出店し9店を閉店。エディオンは2店を新規出店し2店を閉店。ケーズHDは出店4店、退店1店で、前回の出店9店、退店4店の通期計画から出店8店、退店8店に修正した。ノジマは6店を出店し1店を閉店。上新電機は3店を新規出店し2店を閉店した。
家電以外の事業は各社で好調。ヤマダHDは住宅関連の構造改革が進み、ヤマダホームズの赤字幅を縮小。ノジマはキャリアショップの利益改善に加え、インターネット事業や通販事業も増収増益だった。
通期見通しは、ノジマがVAIO買収を受けて上方修正したものの、そのほかの各社は計画を据え置いた。年度末に向けて、省エネ性能が高いなど高付加価値な家電の販売強化や新生活需要の取り込みでさらなる成長を狙う。