2025.02.06 電子部品大手8社、4社が営業益過去最高 4~12月期決算
電子部品大手8社の24年4~12月期連結決算
電子部品メーカー大手8社の2025年3月期第3四半期決算(2024年4~12月)が5日までに出そろった。ICTやAI(人工知能)関連の需要と円安基調を追い風に6社が営業増益を達成。うち4社は過去最高益を更新する好業績となった。
10~12月期では、世界的な新車販売低迷やEV(電気自動車)需要の落ち込みにより、自動車関連事業が想定を下回った。産業機器市場の在庫調整も継続し、特に欧州市況の悪化が各社の業績を圧迫。通常は電子部品需要がピークを迎える10~12月期だが、7~9月期を下回る企業も少なくなかった。
4~12月期業績は、ニデックがハードディスクドライブ(HDD)用モーターやAIデータセンター向け水冷モジュールの好調により、売上高、営業利益ともに過去最高を更新。
TDKはICT市場向けの小型二次電池やセンサー、HDD用ヘッドなどがけん引し、営業利益が34.3%増と過去最高を記録した。
日東電工も、高性能なノートパソコン(PC)向け光学フィルムやデータセンター向け部品が好調で、売上高、営業利益ともに過去最高の業績を記録した。
アルプスアルパインは、微増ながら売上高が過去最高を更新。営業利益は2割強の大幅増益となった。モバイル向けアクチュエーターやゲーム機向けなどが堅調に推移し、円安も収益を押し上げた。
ミネベアミツミも売り上げ、営業利益ともに過去最高を更新。10~12月期は減収となったが、高収益ビジネスが伸長し、営業増益を確保した。
通期業績予想は、8社中6社が増収営業増益を計画。ニデックと日東電工は売上高、営業利益ともに過去最高を見込む。アルプスアルパインとミネベアミツミは過去最高の売り上げ、TDKは過去最高の営業利益を計画している。
一方、25年1~3月期の市場見通しについては、車載・産機市場を中心に停滞が続くことを見込む。特に産機市場では、「中国以上に欧州市場の悪化が顕著」(電子部品大手)との指摘もある。
米国の関税政策や貿易規制については、直接的な影響は限定的とする企業が多い。半面、グローバルでの機器需要への影響で「間接的な影響を受ける」と懸念する声も出ている。